
トイレの故障を確認する7つのチェックポイント
トイレを長年使っていると故障とも思えるような現象に悩まされることがあります。
例えば、軽い水漏れをしていたり、水の流れが悪くなったり、つまりを起こすようになったり…
また、新しくトイレを設置したお家でも、トイレの取り付けに不備があれば故障とも思える症状が発生することもあるんです。
そこで今回は、トイレの故障が疑われるときのチェックポイントを用意しました!
トイレの故障が疑われる症状別に原因と対処法をまとめたので参考にしてみてください!
記事の内容
トイレの故障が疑われる時の7つの症状チェック
トイレが故障しているかも知れないときの症状を挙げてみます。
- 水の流れが悪い(水が引かない)
- 水を流した後にトイレットペーパーや排泄物のカスが浮いている
- トイレの手洗い水がチョロチョロ出る
- トイレの水が止まらない
- 便器の中に溜まる水(封水)の量が少ない
- トイレから異臭がする
- 水道料金が急激に高くなった
これらの症状の原因・対処法を解説していくので、お家のトイレに起きている症状に該当するもの、もしくは近い症状を参考にしてみてください!
故障症状①水の流れが悪い(水が引かない)
水の流れが悪く、ゆっくりトイレの水が排水されたり、なかなか水が引かないという症状はトイレの故障一歩手前と考えてください。
トイレの水の流れが悪いということは、排水管に異物がつまっている・汚れが蓄積して排水管が狭くなっている可能性があります。
この排水管のつまりや汚れの蓄積を取り除くことで水の流れが改善して、普段通りに水が排水されるようになるはずです。
トイレの水の流れが悪い(水が引かない)ときの対処法
トイレの水の流れが悪いときは、ラバーカップ(スッポン)を使ってつまりの除去を行います。
ラバーカップは柄の先にゴムカップが付いた道具で、小学校のトイレでよく見かけた記憶があるはずです。
次の画像のようにラバーカップはトイレの種類によって3つのタイプが用意されているので、新しくを購入する場合はトイレの種類に合ったラバーカップを選んでください。
ラバーカップを使用してトイレのつまりを直す方法は次の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてくださいね!
また、ラバーカップを使用しても水の流れがよくならない場合は、排水管に異物がつまっているのではなく汚れが蓄積している可能性があります。
排水管に汚れが蓄積しているケースでは高圧洗浄機を使用して汚れを洗い流します。
高圧洗浄機を使った排水管の掃除は『水回りの専門業者』に依頼しましょう。
トイレの水がなかなか減らない・全く引かないときの更に詳しい対処法は次の記事を参考にしてみてください。
故障症状②水を流した後にトイレットペーパーや排泄物のカスが浮いている
トイレの水を流した後にトイレットペーパーや排泄物のカスが便器内に残ることってありませんか?
便器にカスが残る原因の1つは先程の『トイレ故障の症状①』で説明したように、排水管のつまりや汚れの蓄積が疑われます。
そしてもう1つ、便器に流れる水の量が少ない(水の勢いが弱い)ことも原因になります。
トイレの排水管は次の画像のように上側に湾曲しているので、水の勢いが弱いとトイレットペーパーなどが綺麗に流れないこともあるんですね。
そして、トイレに流れる水の勢いが弱いということは、トイレのタンクに溜まる水の量が減っている可能性が考えられます。
トイレにトイレットペーパーなどのカスが浮いているときの対処法
トイレに流れる水の勢いが弱いと感じるときは、一度トイレのタンクに溜まっている水の水位を確認しましょう。
トイレの水位の基準はオーバーフロー管という部品に記載されている『W.L』の位置になります。(表記がないものは管の先端から2~3cm下)
この『W.L』よりも低い位置に水位がある場合はタンクに溜まる水の量が少ないということなので、水位を調整して本来の水位に戻す必要があります。
水位を調整するには下の図で言うところの『ボールタップ』の角度を調整しなければいけません。
このボールタップの角度の調整方法はTOTOとLIXILの公式サイトに詳しく記載されています。
次のTOTOとLIXILの公式サイトを参考にして水位を調整してみてください。
故障症状③トイレの手洗い水がチョロチョロ出る
トイレの手洗い水がチョロチョロ出る症状には2つのパターンがあります。
- トイレを流した後の水の出が悪い(チョロチョロと水が出る)
- トイレを流して時間が経ってもチョロチョロと水が出続ける
この2パターンの症状への対処法詳しく解説していきますね。
トイレを流した後の水の出が悪い(チョロチョロと水が出る)ときの対処法
トイレを流した後に手洗い水がチョロチョロと出る場合は、下の図の『手洗い管』を確認します。
まずは手洗い管の出水口の部分にゴミなどが詰まっていないか確認してください。出水口が網状になっているタイプであればホコリなどが溜まって水の出が悪くなることがあります。
手洗い管の出水口にゴミが溜まっているだけであれば、爪楊枝などで取り除いて修理完了です。
次に、トイレのタンクを開けて手洗い管の付け根やボールタップとの接続部の部品に不具合がないか確認してください。特に手洗い管とボールタップの接続部がゴム管になっている場合はゴムが劣化したり傷付いていることがあります。
手洗い管やゴム管に不具合がある場合は、メーカーに問い合わせて部品を交換するか近くのホームセンターで部品を購入しましょう。
トイレを流して時間が経ってもチョロチョロと水が出続けるときの対処法
トイレの水を流してから数分以上水がチョロチョロと出続けている場合は、次の3つの原因が考えられます。
- レバーに繋がっている鎖が引っかかっている
- 浮き玉が引っかかっている
- ボールタップ・ゴムフロート・浮き玉の故障・劣化
トイレの水はレバーを引くことで流れますが、レバーに繋がっている鎖の先には『ゴムフロート』がタンクのフタをしています。このフタの役割をしているゴムフロートが外れることで水が流れるんですね。
もし、ゴムフロートに繋がっている鎖が他の部品に引っかかって水がチョロチョロ出ているなら、タンクを開けて鎖の引っかかりを解けば修理完了です。
また、『浮き玉』が他の部品に引っかかっているケースもあるので確認してください。
トイレタンクの中で部品の引っかかりが見当たらない場合は、ボールタップ・ゴムフロート・浮き玉が故障または劣化している可能性があります。
部品が故障または劣化している場合は、メーカーに連絡して取り替えてもらうか、ホームセンターで部品を購入して交換してください。
故障症状④トイレの水が止まらない
トイレの水が止まらない、少量でも水が流れ続けているという症状がある場合は、最初にトイレの止水栓を止めてください。
トイレの止水栓は次の写真のように、壁に設置されているタイプと床に設置されているタイプがあります。
止水栓はマイナスドライバーを右回しにすると閉めることができます。
マイナスドライバーがない場合はハサミ・スプーンやフォークのお尻・ホッチキスのお尻・硬貨・プルタブなどを代用品として使ってくださいね。
止水栓を止めることができたら、次にトイレタンクのフタを開けて原因を探りましょう。
トイレの水が止まらない故障の原因は2つ!
トイレの水が止まらない原因は主に次の2つに分けられます。
- タンク内の部品が外れている
- タンク内の部品が消耗・破損している
トイレの水が止まらない原因は多くの場合タンク内の部品にあります。
※タンクレストイレをお使いの場合はメーカーに問い合わせてください。
不具合を確認するトイレタンク内の部品は、浮き玉・ボールタップ・フロートバルブです。
先程の『トイレ故障の症状③』の対処法と同じように、これらの部品が外れていないか劣化していなかなどを確認します。
もし、部品に不具合が見つかった場合は、メーカーに連絡して部品を取り寄せるかホームセンターで部品を購入して交換してください。
そして、トイレの水が止まらないときのさらに詳しい対処法は次の記事で解説しているので参考にしてみてください。
故障症状⑤便器の中に溜まる水(封水)の量が少ない
便器に溜まる封水の量が少ない場合は次の3つの原因が考えられます。
- 『誘導サイホン』によって封水が減る
- 補助水管の故障
- 便器のヒビ割れ
- トイレのつまりによる『毛細管現象』
それぞれの詳しい説明と対処法を解説していきますね。
誘導サイホンによって封水が少ないときの対処法
マンションなどの集合住宅で発生しやすい作用が『誘導サイホン』です。誘導サイホンは上階から大量の水が排水管を流れたときに発生しやすく、このとき上階から流れる水が封水を引っ張っていってしまいます。
誘導サイホンによって封水が引っ張られることで、結果的に封水が減ってしまうというわけですね。封水の少なさが誘導サイホンによるものであれば個人では対処できません。
一度、大家さんや管理会社に相談をしましょう。そのとき他のお部屋の方からも同じような相談がないかどうか確認してみてください。
補助水管の故障によって封水が少ないときの対処法
お家のトイレがサイホン式・サイホンゼット式の場合は、トイレのタンクに『補助水管』という部品が取り付けられています。この補助水管はトイレの水を流した後に、補助的に便器内の水を溜める働きがあります。
補助水管が故障しているとトイレの水を流した後に水が供給されなくなります。そして結果的に封水が少なくなるというわけですね。
補助水管が故障している場合は、交換するか補修用ボンドで修理する必要があります。トイレのタンクを開けて補助水管に亀裂や破損がないか確認してみてください。
便器のヒビ割れが原因で封水が少ないときの対処法
最後に3つ目の原因ですが、『便器にヒビ割れ』があると封水が漏れ出す原因になります。少量の水漏れだと気付きにくいことがあるので、便器の裏側などもくまなくチェックしてください。
便器のヒビ割れが軽度の場合は補修用ボンドで対応することができます。しかし、亀裂が大きい場合などは補修用ボンドで対応しきれないので、メーカーや水回りの専門業者に連絡して修理してもらいましょう。
トイレのつまりによる『毛細管現象』が原因で封水が少ないときの対処法
トイレがつまっていると『毛細管現象』が起きて封水が減ってしまうこともあります。
この毛細管現象とは、筆に墨汁を浸したときに筆が一気に墨汁を吸い上げるような現象です。このようなイメージで、トイレットペーパーなどのつまりが封水を吸い上げることで封水が少なくなるんですね。
トイレでの毛細管現象は滅多に起こる現象ではありませんが、トイレがつまっている可能性がある場合は早急につまりを解消する必要があります。
トイレのつまりを直す方法を原因別にまとめているので、次の記事を参考にしてつまりを解消してみてください。
故障症状⑥トイレから異臭がする
トイレが臭い、下水のようなニオイがする場合は次の3つのチェックポイントを確認してみてください。
- トイレの封水は少なくない?
- トイレの掃除は定期的に行っている?
- 便器から水漏れはしていない?
トイレの封水はトイレットペーパーや便を流すためだけでなく、排水管を通ってくる悪臭を封じ込める役割も持っています。この封水が少なくなってしまうと空気の通り道ができて悪臭が上がってくることがあるんですね。
いつもに比べて封水が少ないと感じるのであれば、先程お伝えした『トイレ故障の症状⑤』を参考にして封水が少ないときの対処法を試してみてください。
また、トイレの悪臭は意外と掃除不足が原因の可能性もあります。ここ最近トイレ掃除をサボってしまっているようでしたら、まずはトイレの隅々まで掃除をしてみてくださいね。
そして、便器から汚水が漏れていることが原因でトイレが臭くなっている可能性もあります。トイレの裏側や床との接続部を確認して、水漏れがないかどうか細かくチェックしてください。
トイレから悪臭がするときの詳しい対処法は次の記事にまとめているので参考にしてみてくださいね!
故障症状⑦水道料金が急激に高くなった
トイレの故障が目に見えて起きている場合はすぐに対処することができますよね。
しかし、目に見えないところで故障が発生している場合はなかなか気付くことができません。
そこで注目するのは”水道代”です。
水道代が先月、先々月などと比べて急激に高くなっているなら、どこかで水漏れが発生している可能性があります。水漏れの場所はトイレだけでなくお風呂場・台所なども考えられます。
そこで水道メーターを確認して水漏れの有無を確認しましょう。
水道メーターは庭や敷地内の下の写真のようなフタの中に収められています。
このフタを開けると水道メーターがあるので、”お家の水道や蛇口を止めた状態”で水道メーターの『パイロット』が回転しているかどうかを確認します。
水道メーターのパイロットが下の動画のように速く回転しているようでしたら、どこかで水漏れが起こっている可能性を疑いましょう。
水を止めても水道メーターのパイロットが回っているなら、水回りの専門業者に依頼して水漏れ箇所がないかどうか調査してもらってください。
修理を依頼するまでの手続きや費用については、次の記事をご参考ください。
トイレの故障修理にかかる相場料金はいくら?
最後にトイレの修理を業者に依頼した時の相場料金をまとめてみました!
【トイレタンクの修理にかかる相場料金】
作業内容 | 相場料金 |
---|---|
止水栓交換 | 約8,000円〜 |
ゴムフロート交換 | 約8,000円〜 |
ボールタップ交換 | 約8,000円〜 |
浮き玉交換 | 約7,000円〜 |
水道管のパッキン | 約8,000円〜 |
トイレタンク交換 | 約70,000円〜 |
【トイレのつまりや調査にかかる相場料金】
作業内容 | 相場料金 |
---|---|
軽度のトイレのつまり除去 (紙つまりなど) | 5,000円~ |
トイレのつまり除去 (専門道具使用) | 7,000円〜 |
小便器の詰まり・尿石除去 | 8,000円~ |
高圧洗浄 | 15,000円 |
便器着脱作業 | 10,000円〜 |
便器交換 | 30,000円〜 |
ワイヤーによる排水管の清掃 | 5,000円〜 |
薬剤による排水管の清掃 | 10,000円〜 |
高圧洗浄機による排水管の清掃 | 20,000円〜 |
ファイバースコープによる排水管の調査 | 20,000円〜 |
業者によっては作業料金に加えて基本料金、出張料金、夜間対応料金などが加算されることもあります。
それを踏まえると、トイレの修理が部品の交換のみで完了する場合は1万円前後が相場料金と言ったところです。
相場料金を見ていただいたように、トイレの修理を業者に依頼すると結構高いんですよね。
そこで最後に、トイレを修理する専門業者を安く利用するコツをご紹介します!
トイレの故障修理を安く専門業者に依頼するコツとは?
トイレのつまり解消を専門業者に依頼するときは必ず複数の業者で見積もりを取ります。
見積もりだけなら無料という専門業者が多いので、どんどん無料見積もりをしてみてください。
そして複数の専門業者で見積もりを取ることには次のようなメリットがあります。
- 複数の専門業者から一番安く利用できる専門業者を選べる
- 実際の相場料金を知ることができる
- 他社の見積もり額を提示して値下げ交渉できる
- ぼったくり業者を見極めることができる
複数の専門業者から見積もりを取ることで、当然その中から一番安い業者を選ぶことができますよね。
また、他社の見積もり額を提示しながら「○○業者はこの値段なんですけど…」などと値下げ交渉することも可能です。
無理な値下げ交渉をしない限り、値下げ交渉に応じてくれることも少なくないので一度チャレンジしてみてください!
そして、安く利用できる専門業者を探すためだけでなく、ぼったくりの被害者にならないためにも複数の専門業者で見積もりを取ることが重要です。
いくつかの専門業者で見積もりを取って、適正価格で十分なサービスを提供してくれる専門業者を探してみてくださいね!
トイレの故障に関するよくある質問
- トイレを故障させないための予防法はありますか?
トイレに流せるもの以外は流さないようにしてください。また一度に大量のトイレットペーパーを流すとつまりが発生する可能性があるのでやめましょう。トイレ全体を小まめに掃除することでトラブルを未然に防ぐことができます。
- 軽度なつまりを直すオススメ修理グッズはありますか?
トイレットペーパー、排泄物など水に流せるものが原因であれば、ラバーカップやお湯と洗剤などがオススメです。ラバーカップがない場合はペットボトルやサランラップでも代用が可能です。
- トイレの水が止まらない時の応急処置はありますか?
トイレの止水栓をマイナスドライバーを使って閉めれば、水を止めることができます。便器の水が溢れそうな場合の応急処置にもなります。
トイレの止水栓の閉め方
- トイレの故障にかかる修理費用を教えてください。
軽度なつまり、劣化した部品の交換であれば8000円ほどで修理してもらえます。便器の交換、解体などは高額な修理費用がかかるので複数の専門業者にお見積もりを取ってもらいましょう。
トイレの故障にかかる修理料金
- 少しでも修理費用を抑えたい場合はどうしたらいいですか?
キャンペーンや割引を利用できる専門業者を探すか、複数の専門業者で見積もりを取ることで、修理料金を安く抑える可能性が高いです。当センターでは、「今すぐ」安心して依頼できる専門業者をご紹介しています。
修理費用を安く抑える方法