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トイレ備蓄の重要性:災害時のトイレ問題と健康への影響

2025.03.27

日本トイレ協会の会員であるセーフリーは先日、(一社)日本トイレ協会の主催する「第40回全国トイレシンポジウム」に参加させていただきました。
テーマは「能登半島地震の経験から考えるインクルーシブ防災と災害トイレ」です。
シンポジウム参加で学んだトイレ備蓄の重要性、災害時のトイレ問題の深刻さについてご紹介いたします。

災害時におけるトイレ問題の重要性とその影響

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能登半島の現実は厳しく、著者の親族はいまだ山中でトイレをしています。これが、輪島市の現状です。

日本は自然災害が頻発する国であり、地震や台風、大雨などによる被害が後を絶ちません。
災害時には食料や水の確保が注目されがちですが、トイレの確保も同等に重要です。
トイレが利用できない状況は健康や衛生環境を悪化させ、災害関連死を引き起こす要因となります。
この記事では能登半島地震や他の事例を基に、災害時のトイレ問題が生活の質(QOL)に与える影響とその解決策について掘り下げます。


災害関連死とトイレ環境の関係

災害関連死とトイレ環境の関係

2023年に発生した能登半島地震では、死者数が441名に達し、そのうち災害関連死が235名に増加するとされています。
災害関連死は直接的な怪我ではなく、避難生活中の健康悪化やストレスが原因で亡くなるケースを指します。
トイレ環境が整っていないことは、災害関連死を増加させる要因の一つです。

トイレ不足がもたらす健康リスク

  • 排泄我慢による健康悪化:トイレが不足している状況では、膀胱炎や便秘、腎機能の低下といった問題が発生しやすくなります。
  • 感染症リスクの増加:トイレ不足により排泄物が適切に処理されない場合、ノロウイルスや腸炎などの感染症が蔓延しやすくなります。
  • 精神的ストレス:特に女性や高齢者にとって、プライバシーが守られないトイレ環境は大きな負担となり、ストレスや健康悪化につながります。

生活の質(QOL)の低下とトイレ問題

生活の質(QOL)の低下とトイレ問題

災害時にトイレが利用できない、または安心して使えない環境は、被災者の生活の質(QOL)を大きく低下させます。

1. プライバシーと安全性の欠如

仮設トイレが設置されていても、男女別の区分が不十分であったり、夜間の利用が安全でないことが多くあります。
特に女性や高齢者はプライバシーが守られない環境に大きな不安を感じるため、トイレの利用を控え、健康悪化を招いてしまいます。

2. 精神的ストレスの増加

トイレが利用できないことで、被災者は不要な緊張感やストレスを抱えることになります。
例えば、汚物が処理されていないトイレを使用せざるを得ない場合、衛生状態への懸念が精神的負担を増大させます。

3. 衣類の不足と衛生状態の悪化

能登地震ではトイレ環境が整わない中で、避難者の多くが汚れた衣類を交換できず、下着やズボンの不足に直面しました。
このような状況は、特に高齢者や子どもにとって大きな不便となり、衛生状態の悪化に直結します。


災害時に利用されるトイレの種類と課題

災害時に利用されるトイレの種類と課題

災害時には、「携帯トイレ」「簡易トイレ」「非常トイレ」の3種類が主に利用されます。

1. 携帯トイレ

1. 携帯トイレ

携帯トイレは災害発生直後に最も早く利用可能なトイレであり、持ち運びや備蓄が容易です。

  • 利点: 持ち運びが簡単で備蓄に適している。
  • 課題: 使用方法が十分に周知されていないため、戸惑う人が多い。

2. 簡易トイレ

2. 簡易トイレ

簡易トイレは携帯トイレよりも安定性が高く、中期的な利用に適しています。

  • 利点: 組み立てが簡単で利用しやすい。
  • 課題: 長期間の利用には適しておらず、備蓄量が限られる。

3. 非常トイレ(仮設トイレ、トイレトレーラー)

3. 非常トイレ(仮設トイレ、トイレトレーラー)

非常トイレは避難所で多くの人が利用できる大規模な設備です。

  • 利点: 大量の利用者に対応可能。バリアフリー対応型もある。
  • 課題: 設置までに時間がかかるため、災害初期では利用困難

災害時に必要なトイレ備蓄品のチェックリスト

以下は災害時に必要なトイレ備蓄品のリストです。

項目 必要量の目安 補足
携帯トイレ 家族人数 × 7日 1日3回使用を想定
消毒用品 手指消毒液 1本、使い捨て手袋 数10枚 衛生管理に必要
衛生用品 トイレットペーパー 数ロール おしりふき、ゴミ袋も含む
防護用品 防水シート 1枚、防護服 数着 衛生面の悪化に対応
その他 簡易トイレ用凝固剤、消臭スプレー 凝固剤で処理が容易に、臭い対策も可能

避難生活の「デッドライン」

避難生活の「デッドライン」

災害時には、「3日目」や「1週間目」が避難生活の分岐点となります。この期間内にトイレ環境を整備できなければ、健康リスクが急速に高まります

3日目までの課題

  • 初期段階では携帯トイレが主な選択肢となるため、備蓄が重要です。
  • 排泄を我慢することで感染症リスクが高まります。

1週間目までの課題

  • 仮設トイレや簡易トイレが整備されない場合、長期生活に支障をきたします。
  • 衛生環境の悪化が災害関連死の増加につながります。

過去の教訓から学ぶ対応策

過去の教訓から学ぶ対応策

災害時のトイレ問題が被災者の健康と尊厳に深刻な影響を与えることを明確に示しています。

能登地震の事例

仮設トイレが設置されるまでに3日以上かかり、多くの避難者がトイレの利用を控える状況に陥りました。
トイレ不足が原因で感染症のリスクが高まり、結果的に災害関連死が増加しました。

東日本大震災の事例

仮設トイレの設置が遅れたことで、多くの避難者が排泄を我慢し、膀胱炎や便秘、エコノミークラス症候群を発症するケースが多発しました。
特に高齢者や女性がトイレ環境に不安を感じ、健康被害を被る事例が目立ちました。

熊本地震の事例

マンホールトイレが下水管の損壊で使用不能となり、代替手段が不足していました。
仮設トイレの設置場所が避難所から遠く、利用を控える避難者が多かったことが課題となりました。


今後の課題と提案

不測の事態に備えるには、トイレ備蓄の必要量の把握、地域情報の確認が必要です。

  1. 携帯トイレの普及と使用訓練
    • 各家庭に7日分の備蓄を推奨。
    • 防災訓練で携帯トイレの使用方法を普及。
  2. 仮設トイレの早期設置
    • バリアフリー型トイレの普及を推進。
    • 設置計画の迅速化
  3. 衛生管理の強化
    • 感染症予防のための衛生用品を備蓄
    • 避難所での衛生教育を徹底。
  4. トイレ情報の共有
    • 地域ごとのトイレ設置状況を即時把握できるシステム構築。

生存の為のトイレ備蓄:排泄は我慢できない

災害時のトイレ問題は、健康維持と命を守るために不可欠な課題です。
過去の教訓を活かし、トイレ備蓄の普及や設置の迅速化、衛生管理の徹底を通じて、避難生活の質を向上させることが求められます。
各家庭、企業が備蓄と準備を整え、地域と連携して安心できる環境を構築することが重要です。

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