character

Introduction

活動紹介

一覧に戻る

自治体による非常用トイレの配布・備蓄|広がる災害対策

2025.03.27

災害時のトイレ問題は、避難生活における最も深刻な課題の一つです。この問題に対応するため、全国の自治体が非常用トイレの配布や備蓄に乗り出しています。
本記事では、先進的な取り組みを進めている自治体の事例を紹介し、非常用トイレの配布が持つ意義や、それに伴う課題について
考察します。

自治体の取り組み事例

実際にトイレ配布やトイレ備蓄に関する取り組みを行なっている自治体を紹介いたします。

東京都品川区の先進的な取り組み

品川区では、令和6年10月から令和7年3月にかけて、全区民を対象に携帯トイレを配布する計画を進めています。取り組みの特徴は以下の通りです。

 

  • 配布対象: 令和6年8月31日時点で品川区に住民登録がある方
  • 配布方法: 宅配便で世帯主宛に世帯人数分をまとめて配送
  • 配布時期: 世帯人数によって異なり、1人世帯は令和6年10月から、4人以上世帯は令和7年2月頃を予定


品川区は在宅避難を推奨しており、この取り組みはプライバシー確保や感染症リスク軽減にも貢献します。
また、多言語(英語、中国語、韓国語)のリーフレットも用意し、外国人住民への配慮も見られることが特徴です。

神奈川県大和市の地域密着型の取り組み

神奈川県大和市の地域密着型の取り組み

大和市では、携帯トイレの備蓄を積極的に呼びかけています。取り組みの特徴は以下の通りです。

 

  • 備蓄推奨: 各家庭や自治会、自主防災会での備蓄を推奨
  • 使用後の処理: 市の指定ごみ袋で燃えるごみとして回収
  • 備蓄目安: 1人1日5回分を3日分、できれば1週間分を推奨

さらに、大和市では市民団体「やまと災害ボランティアネットワーク」が中心となり、マンホールトイレの組み立て訓練を実施しています。
この活動は、地域コミュニティの防災意識向上にも貢献しています。

横浜市のお試しトイレパック配布

横浜市は、「お試し用トイレパック」を配布する独自の取り組みを行っています。
この取り組みの目的は、災害時のトイレ対策の重要性を市民に理解してもらうことです。

配布されるトイレパックには、使用方法や処理方法が詳しく説明されており、市民の防災意識向上に役立っています。

その他の自治体の取り組み

その他の自治体の取り組み

  • 千葉市・船橋市: 避難所の備蓄品として携帯トイレを準備しています。
  • 福岡市:避難所運営の手引きで携帯トイレの使用を推奨しています。
  • 熊本市:38中学校を対象にマンホールトイレの整備を行っています。平成28年熊本地震時には4中学校で実際に活用されました。
  • 徳島県:「徳島県災害時快適トイレ計画」を策定し、トイレ問題の啓発や平常時からのトイレ環境改善に取り組んでいます。

非常用トイレ配布の意義

非常用トイレ配布の意義

非常用トイレの配布には、以下のような重要な意義があります。

  • 衛生環境の維持:災害時の衛生状態悪化を防ぎ、二次災害のリスクを軽減します。
  • 心理的負担の軽減:トイレの問題は避難生活での大きなストレス要因です。非常用トイレの備蓄により、この不安を軽減できます。
  • 災害関連死の予防:適切なトイレ対策は、災害関連死の予防にもつながります。
  • 防災意識の向上:非常用トイレの配布は、市民の防災意識を高める効果があります。
  • 在宅避難の支援:自宅避難者の生活をサポートし、避難所の混雑緩和にも貢献します。

災害時のトイレ需要と供給の現状

災害時のトイレ需要と供給の現状

内閣府の試算によると南海トラフ地震が発生した場合、発災後7日間で約1億7000万回分のトイレが不足すると予想されています。
一方、メーカーが集められる災害用トイレは約680万回分にとどまり、圧倒的に供給が不足しています。

同様に、首都直下地震の場合も発災後7日間で約5600万回分のトイレが不足すると予想されています。
このような状況から、各家庭でのトイレ備蓄の重要性が高まっています。

今後の課題

非常用トイレの配布は重要な取り組みですが、いくつかの課題も存在します。

  • 継続的な備蓄:配布されたトイレの使用期限管理や定期的な更新が必要です。
  • 使用方法の周知:正しい使用方法や処分方法の広範な周知が求められます。
  • 多様なニーズへの対応:高齢者や障害者など、特別なニーズを持つ人々への配慮が必要です。
  • コスト:全世帯への配布は自治体にとって大きな財政負担となる可能性があります。
  • 環境への配慮:使用済み非常用トイレの処理方法や環境への影響を考慮する必要があります。

まとめ

非常用トイレの配布は、災害時の生活を支える重要な取り組みです。

非常用トイレの配布は、災害時の生活を支える重要な取り組みです。
今後、より多くの自治体がこの取り組みを採用し、市民の防災意識向上と災害時における生活の質の確保につなげることが求められています。

同時に、配布後の管理や使用方法の周知、多様なニーズへの対応など、課題も残されています。
これらの課題に対しては、自治体だけでなく、市民団体や企業との協力が重要になるでしょう。
例えば、大和市の事例のように、地域コミュニティと連携した防災訓練や啓発活動を行うことで、より効果的な災害対策が可能になります。

非常用トイレの配布は、単なる物資の提供にとどまらず、地域全体の防災力向上につながる重要な施策です。
各自治体が地域の特性に合わせた取り組みを進め、市民と協力しながら、より強靭な防災体制を構築していくことが求められています。

最後に、内閣府が作成した「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」に基づき、自治体は「安全性」「衛生・快適性」「女性・子供」「高齢者・障害者」の4つの要素に配慮したトイレ対策を進めることが重要です。

避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン 出典:内閣府ホームページ

発災直後は携帯トイレと簡易トイレで対応し、その後マンホールトイレなどの中長期的な対策へと移行していくことが推奨されています。
以上を踏まえて、私たち一人一人も災害時のトイレ問題の重要性を認識し、自助・共助の精神で備えを進めることが重要です。

 

活動紹介一覧に戻る

【公式】水道修理のセーフリー