コラム

2024.03.08

災害用トイレ備蓄普及は喫緊の課題|日本トイレ協会「能登半島地震緊急報告」セミナー体験記

災害用トイレ備蓄普及は喫緊の課題|日本トイレ協会「能登半島地震緊急報告」セミナー体験記

日本トイレ協会の会員であるセーフリーは先日、(一社)日本トイレ協会が開催している「うんと知りたいトイレの話」の第32回のセミナーへ参加いたしました。オンラインで2/15に開催され、テーマは「能登半島地震緊急報告」です。

冒頭から目を背けたくなるような現実や凄惨な現場、想像を絶する極限状態の報告が行われました。災害用トイレ備蓄普及に取り組むセーフリーとして決意をより強固にし、普及の必要性を感じました。

トイレ協会の緊急報告で語られたトイレ事情

トイレ協会の緊急報告で語られたトイレ事情

 

四名の発表者から報告がありました。各登壇者の方と内容は以下の通りです。

  1. 能登半島地震 現地の状況: 高橋 未樹子氏(日本トイレ協会理事/コマニー(株)研究開発課課長)による報告では、石川県の被災状況と、輪島中学校での炊き出しや七尾市能登島でのボランティア活動の様子が語られました。
  2. 輪島市のトイレと水道: 田中 友統氏(日本トイレ協会運営委員/ニッポー設備(株)代表取締役)は、輪島市のトイレと水道の状況について語られました。
  3. 災害時のトイレ: 寅 太郎氏(災害・仮設トイレ研究会事務局長)は、災害時におけるトイレの重要性と、正しい対応策について語られました。
  4. 令和6年(2024年)能島半島地震携帯トイレ支援について: 西村 賢氏(日本トイレ協会法人会員/災害・仮設トイレ研究会会員(株)総合サービス)は、地震発生後の携帯トイレ支援の取り組みについて報告が行われました。

どの報告も素晴らしく、能登半島地震の当時の状況を認識するのに十分すぎるほどです。

詳細は日本トイレ協会の下記のページよりご覧ください。

今回は中でも印象に残った実際のトイレ事情について書き記します。

第32回「うんと知りたいトイレの話」(2024年2月15日) 「能登半島地震緊急報告」

多くは語られない能登半島地震の実態

トイレ協会の緊急報告で語られたトイレ事情

冒頭からコマニー(株)の高橋さんによる、生々しい現場での状況が語られました。

「カメラを向けるのもつらいような状況、現場は凄惨です。」

筆者の親族も被災しているため、気分が悪くなるような生々しさです。何よりも報道されている内容の数十倍はひどい、そう感じるのが現地のあり様でした。

恥ずかしながらアルファー米は今回のセミナーで初めて知りました。

トイレが無いことで起こる衛生面の問題

断水が発生し、トイレが使用できなくなった、水を流せなくなった。食事の前後に手を洗うこともできなくなった。

そんな避難所では、衛生面での問題が多く発生していました。

生活用水と灯油が同じ容器で運ばれるという極限の状況や、下着やパンツの慢性的な不足、おもらしに関する問題が多発していることが報告されました。

生理用品などは過去の地震でも多く報道されたことから足りてはいたそうです。逆に、おりものシートが非常に重宝されているとのことでした。これは下着を替えられない女性がおりものシートを張り替え、下着の交換を最小限にしているという苦肉の策から生まれた需要とのことです。

トイレの我慢、水分の我慢

また、避難所に設置されているトイレは屋外にあるものが多く、当然寒いです。

屋外の寒いトイレに行きたくないために、トイレを我慢してしまうそうです。我慢できなくなって、おもらしをしてしまう方も多く出ました。

トイレに行きたくならないように、水分を我慢する人も。しかし、水分を我慢することで心身ともに衰弱していきます。

当たり前である排泄や水分補給、トイレが無いことでおこる様々な困難は非常に多岐にわたりました。

続出する体調不良者、足りない食料

セミナーでは、食料供給の問題も取り上げられました。

1000人が避難している避難所に対して、実際に届いたおにぎりは150個だったとのことです。

翌日に追加されたおにぎりは、450個が賞味期限切れで届くなど、思った以上に食糧供給は深刻です。

私の親族も一日におにぎり一つ食べれたらいいほうとの報告がありました。

1000人キャパの避難所を運営しているのは、自身らも被災した自治体の職員の方、6名程度(当日確認できた範囲での人数)でした。圧倒的に数が足りていません。

仮設トイレ完成!でも・・・

和島中学校では1/5に仮設トイレができたものの設置個所は屋外でした。

屋外にあるため寒く、また和式であったため、老人や体力のない人にはつらいものでした。

多くの人は、学校の校舎の洋式トイレに携帯トイレをかぶせて利用していました。

また、汚物処理のため、24時間職員と避難者の有志がトイレに滞在しなければいけなかったとのことです。

災害用トイレの重要性を思い知りました。特に洋式やプライバシーへの配慮などもわかってきました。

災害用トイレの備蓄普及は喫緊の課題である。

被災地域の断水は四月に解消予定とのことです。また、バケツの水でトイレを流すのは小便でも大変。

大便ならさらに苦しいのでは?とのことでした。

セーフリーが取り組む災害用トイレの備蓄普及はまさに今から備えておくべき課題であると認識しました。

当たり前が当たり前じゃなくなる怖さや、当然だったことが出来なくなる不自由さ。

衛生的かつ体力を保持しながら、人としての尊厳を保つ。

その為にもトイレを備蓄する。排泄したいときに排泄することが何よりも大事だと考えを強固にしました。

まとめ

このセミナーを通じて、能登半島地震の被災地でのトイレ問題をはじめとする多くの課題が明らかになりました。避難所の運営、衛生環境の整備、食料供給、支援物資のニーズなど、多方面での支援が必要であることが理解できました。今後も、被災地のニーズに迅速に対応したかつ適切な支援が求められています。

まずは、自宅への災害用トイレの備蓄をお考え下さい。

 

当記事は、(一社)日本トイレ協会「うんと知りたいトイレの話」実行委員会の許諾を受けて掲載しています。

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