電気やガスなど日本では当たり前に揃っているインフラの「水」は、世界的に見ればまだまだ普及されておらず、水を得られないことによって生活が困窮する人々がたくさんいます。今回はSDGsが生まれる前から世界的に水不足に取り組んできたウォーターエイドについて紹介します
記事の内容
ウォーターエイド(WaterAid)ってどんな団体?

ウォーターエイドとは、1981年にイギリスで設立された国際NGOです。世界34カ国に拠点を置き、水や衛生プロジェクトを実施しています。※NGOとは(国際協力を行っている民間団体のこと)
生活水の扱いに長けている企業とマッチアップし、募金を活動資金としてアフリカや東南アジアなど、不衛生な水を使用している地域を改善する取り組みを行っています。
ウォーターエイド公式サイト
ウォーターエイドが目指す世界
「すべての人がすべての場所で、清潔な水と衛生設備を利用し、衛生習慣を実践できる世界」を目指して活動しています。
その背景としては、多くの子供たちが「水」のために犠牲になっている環境です。
アフリカや南アジアなど、インフラの整備が整っていない地域では、小学生の年頃の子供が生活に必要な水を確保するために片道何キロも往復する必要があります。また、学校を休んだのにも関わらず、水は川や湖から得た不衛生なもの。
また、大人であっても腹痛などの体調不良を引き起こしている現状を解決するため、ウォーターエイドは世界の先頭に立って事業を推進しています。
実現に必要な課題とは
インフラが整っていない地域では、川に橋がかかっていない場所も珍しくありません。そのため重機の運搬が難しく、井戸や水路の建設は人の手で行わなければならず、時間と労力が必要になり費用も膨大です。
また、国によってはカースト制度や閉鎖的な民族など、事業が受け入れられない環境が多々あります。
上記の課題を解決するためには、さまざまな機関や人々の協力が必要となるため、プロジェクトへの参加を働きかける活動も推進しています。
ウォーターエイドジャパン
特定非営利活動法人ウォーターエイドジャパンは、日本から水や衛生問題の解決する事業を行うために2013年に設立されました。
理事に選出されている方々は、大学教授や世界的に活動してきた方、研究員として活動してきた方など、国際的な活動や水や衛生問題について豊富な知識と経験を有しています。
パキスタン・モザンビーク・カンボジア・ルワンダなど、非常に多くの国で活動を行っており、2022年には14のプロジェクトを遂行しています。
水に困窮する人数は7億人

世界では清潔な水を日常で利用できない方は約7億人と約10人に1人の割合です。トイレに関しては17億人がプライベートを確保でき、清潔な状態を保ったトイレを利用できていません。SDGsの目標6番「安全な水とトイレを世界中に」を実現するには、まず世界的な水についての関心を高めましょう。
1日に多くの子供が命を落としている
子供たちが命を落としてしまう原因の一つとして水とトイレが該当し、その数は1日に800人と目を背けられない状況です。
滅菌できていない水から病気に感染してしまうと、不衛生なトイレから感染症が広がり、免疫力が弱い子供たちは下痢や嘔吐の症状が発生し、大人でも命を落としかねません。生まれて間もない乳幼児もそのような環境にあるため、できるだけ早い改善が求められています。
水の確保に学びや生活を奪われる
経済的に余裕がない家庭では、大人が仕事に行くと生活に必要な水の確保は子供たちが行っています。
水は生活の必需品ですから、少しでも状態の良い水を得るために1時間以上かかる場所までバケツやポリタンクを担いで何往復も徒歩で運んでいます。
朝から歩き出さなければ暗くなる前に水を運び終えられないため、学校に通う時間も家で勉強する時間も確保できず、将来の夢を追いかけることもできない子どもたちが大勢います。
ウォーターエイドが取り組むSDGs

ウォーターエイドは水を運搬して終わり。ではなく、利用する人たちが自分達で長く維持していけるようなプロジェクトを実行しています。
給水設備の設置・衛生的なトイレの普及・それらを維持する必要性を教える啓発など、長期で改善されるよう地域に密着しています。
実際の活動内容
たくさんの活動の中の一つであるルワンダでの活動を紹介します。2022年に行われた事業では、村に最も適した『自然流下方式』の給水設備が設置されました。※ポンプを使わず貯水槽から傾斜を利用した給水方法。
ウォーターエイドジャパンも助力したこのプロジェクトでは、約16000人の人々に清潔な水を届ける給水システムと3校の学校にトイレを設置しています。
給水システムが適切に維持管理されるよう、維持管理を担当する民間事業者・水利用者委員会・郡水衛生理事会等のトレーニングも実施されました。現地の方は、水が整備されたことにより村や街では病気が減り、子供たちは学校へ通えるようになり、病気にかかりにくくなったことで生活が安定したといいます。
寄付金の使い道と実績
ウォーターエイドではHPにて寄付金を募集しています。寄付金の金額によって実施できる目安が記載されているので紹介します。
- 毎月2000円の寄付を1年〜1年間に10人の人が清潔な水を使えるように
- 5000円〜マダガスカルに家庭用トイレを2基設置
- 10000円〜でネパールに手押しポンプ1基
また、上項で紹介したような大規模な活動も実施しています。2020年の活動レポートによると、マダガスカルで家庭53.1万人・学校13.1万人・保健医療施設85.2万人に適切なトイレを設置。パキスタンでは家庭255.3万人・学校141万人・保健医療施設1000.3万人が衛生習慣を身につけるまで献身的な講義を行っています。
ウォーターエイドジャパンの文化やスポーツを通じた活動

ウォーターエイドはたくさんの人に活動を広めるため、以下のような取り組みを行っています。
- 2023年大阪マラソンチャリティーランナー
- 墨田区、水の循環講座
- ウェビナーの開催
- 11月19日世界トイレの日イベント
ウェビナーや墨田区水の循環講座では、どのように生活水が生まれているか、世界で生活水を得られる環境がない人々はどのように水を得ているのか、といった内容を講義しています。開催日などはウォーターエイドのHPに掲載されていますので、世界の水について興味がある方はぜひ受講してみてください。
ウォーターエイドの「これから」とは

世界にはまだまだ水によって生活がままならない人たちが多くいます。少しでも早く安心できる水を届けるためには、多くの方の協力が必要不可欠です。
SDGsを通して少しでも活動が進められるよう、コストを抑えたシステムの開発や政府・企業・地域の理解が求められています。世界中の人々が安心して生活できるよう、課題解決に取り組むウォーターエイドに協力してみてはいかがでしょうか。

















