日本を支える大企業のひとつで、トイレや水回りの製品が代表されるLIXILが世界的な活動をしているのをご存知でしょうか。現在世界では達成可能な17の目標を制定したSDGsに取り組んでいます。LIXILは豊富な経験と技術を活かし、さまざまな影響を与えています。
記事の内容
LIXILって何をしてる会社?
LIXILは2011年に国内の建材・設備機器メーカーのトステム・INAX・新日経・サンウエーブ工業・東洋エクステリアの5社が統合され設立されました。
中心企業はトステムですが、最古の歴史は1923年、トステムの全身である木製建具小売の妙見屋商店です。
1945年からINAXがトイレ・洗面器など水回りの製品の開発を始め、キッチンや浴槽が製造され、1967年には国産初のシャワートイレが製造されました。
約100年の歴史と培われた技術をもつLIXILは現在、さまざまな商品と、世界を支える活動を行っています。
主な商品
LIXILは代表的な水回り製品を始め、窓や一般住宅、ビルやマンションなど建造物全般の商品を取り扱っており、トイレやキッチンは高機能で高いクオリティを備え、おしゃれで快適な空間を提供しています。
リフォームも行っており、トイレの小規模リフォーム・外壁や太陽光パネル設置などの大型リフォームは、LIXILのHPに事例集として掲載されてます。参考:https://www.lixil.co.jp/reform/case-rf/top/
LIXILは「私たちと地球の未来のための4つの提案」という快適で豊かな暮らしを実現するための活動が製品の元となっています。
- 人も地球も健康に暮らす
- 長く大切に住み続ける
- 水の恵みを感じる
- エネルギーを自給する
生活で発生するCO2の排出を抑え、節水・節電など家計のお財布と地球に優しく、シャワーヘッド1つで年間1万円の節約は驚きです。
LIXILの会社理念
LIXILは3つの行動「LIXIL Behaviors」を掲げ、「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」の実現に向けて活動しています。
3つの活動とは
- Do THE RIGHT THING:正しいことをする
- WORK WITH RESPECT:敬意を持って働く
- EXPERIMENT AND LEARN:実験し、学ぶ
これらの理念から、SDGsやSATOなど、世界的な活動に繋がっているのでしょう。
「みんなにキレイをプロジェクト」で行っている活動
「みんなにキレイをプロジェクト」とは、世界中にトイレと手洗いを届けるため、日本国内で購入された製品1台につき1ドルの寄付をユニセフを通じ、トイレの無い国へトイレや手洗い場を設置する活動です。
なぜこの活動が必要なのか
世界では5人に1人が安全で衛生的なトイレのない生活を送っています。トイレがないことで、細菌やウイルスが増殖しやすく、感染症など病気のリスクが高くなり、下痢性疾患で命を落とす5歳未満の子供は1日で700人以上も。
また、屋外での排泄によって、女性は性被害や暴行などさまざまな危険があり、学校へ通えない原因の一つです。
寄付金の用途は衛生環境を良くするトイレの設置
このような現状を少しでも解消するため、LIXILは一家へのトイレ設置・正しい衛生習慣の教育・学校へ女性専用トイレの設置を実施しています。また、トイレの設置に必要な職業訓練、衛生環境の重要性に関する理解促進・衛生教育、簡易トイレや簡易手洗いステーションの提供などが寄付金から行われます。
現在寄付の募集は終了していますが、今後募集があった場合は、参加してみてはいかがでしょうか。
みんなにキレイをプロジェクトを通じたSDGsの目標
LIXILはトイレや水栓などの水まわりの技術とノウハウを用い、2025年までに1億人の衛生環境の改善を目標としています。その一つとして「SATO」ブランドがあります。
SATOブランドのトイレは安価で壊れにくく、設置が容易で、少量の水で洗浄が可能です。ハエなどの虫が寄らないよう開閉弁がついていて、病原菌や悪臭を抑える設計がなされています。子どもや高齢者、障がいのある方でも安心・安全に使用可能で、国や地域によって異なるニーズに応える幅広い製品を開発しており、現在では45カ国以上で利用され約650万台を出荷しています。
新型コロナウイルスをきっかけとした手洗いSATO
開発途上国向け簡易式トイレシステム「SATO」の事業に携わっていたLIXIL担当者は、現地で新型コロナウイルスに感染しました。
感染対策として手洗いが有効であるにも関わらず、清潔な水や衛生的な手洗いができない現状を報じるニュースがきっかけとなり、2つのプラスチックが連結された簡易的な作りの「SATO Tap」が開発され、インドやタンザニアの下水道が整備されていない農村部などの家庭で使用されています。
LIXILはSATOの提供を加速させるため、1億円を投じ、今後はインドから輸出することで、アフリカの家庭へSATOを届ける見込みです。
LIXILが取り組むSDGs
LIXILはSDGsの以下の9つの項目をSDGs達成に向け取り組んでいます。
- 3.すべての人に健康と福祉を
- 4.質の高い教育をみんなに
- 5.ジェンダー平等を実現しよう
- 6.安全な水とトイレを世界中に
- 8.働きがいも経済成長も
- 9.産業と技術革新の基礎を作ろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 11.住み続けられるまちづくりを
- 17.パートナーシップで目標を達成しよう
上記項目をトイレやSATOなどを通じ活動しています。
LIXILのパブリックトイレとは?
世界では安全なトイレがないために、生活にリスクがあったり、教育が受けられなかったりする人たちがいます。日本では世界に比べ衛生的で安全なトイレがほとんどですが、トイレへのアクセスが保障されないことで外出をあきらめる人や、学校や職場で利用したいトイレが利用できず生きづらさを抱える人がいます。
上記の課題の解決も、SDGsの達成につながると考え、次項の活動を行っています。
トイレが与えるSDGsの効果
SDGsと課題解決に向け、さまざまなトイレの活動が進められています。
- 発展途上国向け簡易式トイレ「SATO」
- トヨタ自動車(株)と共同開発されている移動式バリアフリートイレ
- 誰もが利用可能なパブリックトイレ
- 自分にあった個室を選ぶオルタナティブ・トイレ
- トイレのレンタル・リースで物流センター・向上にもっといいトイレを
- 災害時でも安心のレジタリエンストイレ
トヨタ自動車と共同開発されているモバイルトイレは、車椅子の方がどこでもトイレができるよう考案されました。
イベント会場や繁華街では車椅子の方が利用できるトイレが限られているため、行きたくてもいけない方が多くいるそうです。車で牽引する形状のモバイルトイレがあれば、体の不自由に関係なく、誰もが共存できる世界の実現の一歩となる画期的なトイレと言えます。
文化やスポーツにも精力的に活動
LIXILは文化活動として、INAXライブミュージアムや出版活動を行っています。
INAXライブミュージアムでは、陶器の原料である土とやきものを5感を使って楽しめる体験・体幹型ミュージアムです。歴史的な資料館、おしゃれな展示品、モザイクアートや光る泥だんご作り体験、レストランが併設されていて、1日中楽しめます。
また、スポーツでは各協賛選手・チームとのさまざまなイベント活動を行っています。鹿島アントラーズとのSDGsフォトコンテスト、サンロッカーズ渋谷のホームゲームにてLIXIL10周年記念ゲームの開催、堀琴音ファンミーティングなど、スポーツを通じてSDGsの拡散やスポーツを盛り上げています。
LIXIL公式SNSでは限定コンテンツやキャンペーンの配信もしていますので、気になる方はご覧ください。
LIXILが目指している世界とは
LIXILは崇高な理念を掲げ、企業の成長とともに世界のトイレ事情を改善する活動に取り組んでいます。約100年の歴史からなるノウハウと技術をもとに、SATOやモバイルトイレなどSDGsにつながるトイレを開発してきました。
「世界中の誰もが描く住まいの夢を実現する」を目標に活動するLIXILにこれからも注目していきましょう。