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ヤマハ発動機はどんな会社?
ヤマハ発動機株式会社は、1955年に現YAMAHAから独立して設立されました。オートバイを中心とした製造業の大手企業であり、電動自転車、電動スクーター、産業ロボット、発動機といった産業機器が中心製品です。他にも、ピアノやマリン製品、スノーモービルやゴルフカートなどの製品も手がけており、活動は多岐にわたっています。
自動二輪車の売上規模は世界2位
ヤマハ発動機の自動二輪車は、ホンダに次ぐ2位の約5,000万台のシェアを誇っています。先進国を中心にシェアを広げており、年々台数を増加しています。 日本国内では、富士登山レースなどの二輪レースを開催し、世界を代表する二輪自動車の企業となりました。
近年の自動二輪車は電動シフトを進め、ヤマハ発動機はすでにE-Vinoと呼ばれる電動自動二輪を国内で販売しています。2050年までに 販売台数の90%を電動化する計画です。
Jリーグ・ジュビロ磐田の母体
ヤマハ発動機はスポーツ活動も精力的に行っており、二輪レースを始め、ラグビーやサッカー、フィギュアスケート、マリンスポーツなど多岐に活動の場を広げています。 サックスブルーのユニフォームが特徴のジュビロ磐田は、Jリーグでも1次リーグとされるJ1のトップで活躍しているチームです。1994年から jリーグに昇格し、国内外で数々のタイトルを獲得しています。静岡県を拠点に日本代表選手を数多く輩出している日本のビッグクラブです。
大企業ヤマハ発動機の企業理念とは
ヤマハ発動機は 企業目的として「感動創造企業〜 世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」 というキャッチフレーズを持ち、変化を恐れず常に次の感動を与えられるよう 高い志を持っています。ブランドスローガンとして「Revs your Heart(レヴズ ユア ハート)」を掲げています。Rev(レブ)とは、エンジンの回転を上げるという意味があり、心躍る瞬間 そして最高の経験を顧客に届けたいといった想いが込められています。
なぜヤマハ発動機はSDGsに取り組むのか
ヤマハ発動機は、SDGsに取り組む方針として、”適正な企業統治の下、社会から信頼される企業として、革新的で多様な製品やサービスを通じ、ヤマハらしい形で社会の課題解決と持続的発展に貢献していきます”と前向きの姿勢を打ち出しています。
引用:ヤマハ発動機HP
企業理念と感動創造企業という目的のもと、これまでグローバルに活動してきた事業を発展させています。
SDGs項目6に取り組むヤマハ発動機の『小型浄水器』ってなに?
ヤマハ発動機はSDGsの項目6「安全な水とトイレを世界中に」を達成するため、ヤマハクリーンウォーターシステムを搭載した小型浄水器を開発し、アフリカでの設置を進めています。日本に設置されている浄水設備は広大な敷地を必要とする大型の設備ですが、ヤマハ発動機が提供している小型浄水器は10m×8mの設置範囲で1日に約8,000リットルの水を浄水できるものです。6m×6mタイプもあり、周辺人口に合わせた設置を可能にしています。
ヤマハクリーンウォーターシステム
ヤマハクリーンウォーターシステムは、緩速ろ過という自然の浄水システムを応用しています。砂利や砂などを利用しているため、大きな電力や専門的な備品交換などを必要としないため、太陽光発動と定期的なメーカー点検で十分なよう設計されています。
薬剤を必要としない浄水システムなため、浄水できる水は限定的(雨水や川の水)ですが、原水の状態によってはWHO飲料水ガイドライン以下まで水質の改善が可能です。
緩速ろ過は数あるろ過設備の中でも停電力で最大限水質を改善できる設備です。井戸よりも安定してきれいな水を得ることができるうえ、現地の住民でもメンテナンスができます。導入コストは高めですが、ランニングコストは低く、汚水を排出しないため環境にも配慮されています。
アフリカを中心に世界42基設置
2021年時点で、ヤマハ発動機は国際機関や政府と協力し、セネガルやカメルーンなどのアフリカの国々、インドネシア・ベトナムのアジアなどに小型浄水器を計42基設置しています。世界では1億人以上が湖や川などの未処理の水を飲料や洗浄等に使用していて、ヤマハ発動機は2000年から浄水装置の開発と設置を進めてきました。
小型浄水器の設置によって、現地の人は「下痢や腹痛が改善した」「皮膚病が改善した」「水汲みの労働から解放された」といった声が寄せられています。紙芝居などによる安全な水の重要性を現地の人々に伝える活動により、徐々に生活が豊かになっている村や町が増えています。
多くの項目でSDGs活動を行っている
ヤマハ発動機は自社の技術とグローバルな繋がりを活用し、数多くのSDGs項目に該当する取り組みを進めています。
例えば、マリン製品を取り扱う技術と海の関わりから、ボートの原材料を木からFRPに変更した森林保全、エンジン開発と提供による輸送と漁業の発展、海岸や湖の清掃、外来種駆除による絶滅危惧種・在来種の保全など、他にも多数の取り組みを行っています。
SDGs項目4の「教育」に該当する活動では、モーターサイクルを提供することによって、長距離の通学時間の短縮、拠点外の現地へ技能レベル向上を目的としたものづくり学校の開校、スポーツを通した振興活動など、未来につなぐ取り組みにも力を入れています。
ヤマハ発動機が見据える未来とは
ヤマハ発動機はエネルギーの未来に対して積極的な取り組みを見せています。多くの人の水問題を解消できるヤマハクリーンウォーターシステムも太陽光と自然エネルギーを使用した停電力システムを採用しています。国内外の技術力向上を目的とした教育も精力的に行っており、環境・経済・社会に意識を向けた取り組みは、地球環境に貢献している企業であることを証明しています。ヤマハ発動機の今後の取り組みに注目していきましょう。