キッチン排水溝に発生する黒いぬめりの正体は黒カビ！掃除方法や予防策を解説

キッチン排水溝の黒いぬめりは黒カビ

キッチンの排水溝に発生する黒いぬめりは、黒カビを中心に生じたバイオフィルムです。バイオフィルムとは細菌が集まって形成される微生物の膜を指しています。

通常バイオフィルムは黄ばみががっている・赤ピンクのような色をしているなどで、キッチンの排水溝において色が判別できるものではないですが、すでに黒カビが発生している状況では、黒いぬめりとして視認できます。

キッチンの排水溝掃除はただでさえヌメヌメしているので億劫なものですが、色が黒になっていると余計やる気をなくしてしまいます。とはいえ、放置しておくと悪臭の原因になるほか、ぬめりに付着した食材カスや油脂が肥大化してつまりの原因になるので、しっかり掃除するのが大切です。

黒いぬめり・黒カビの掃除方法4選

ここからは、黒いぬめり・黒カビの掃除方法を4つ紹介します。

• ゴム手袋や歯ブラシを使う
• 過炭酸ナトリウムを使う
• パイプクリーナーを使う
• 塩素系漂白剤を使う

ゴム手袋やブラシを使う

一つ目はゴム手袋や歯ブラシを使って自分の手で掃除する方法です。食器用の中性洗剤で落とせます。実際に目で確認して掃除できるので、確実に黒いぬめりや黒カビを落とせるのがメリット。スポンジを使うよりもブラシを使ったほうが細かいところまで掃除できるのでおすすめです。なお、一度掃除に使った歯ブラシは衛生的に使い捨てにした方がいいでしょう。

過炭酸ナトリウムを使う

二つ目は過炭酸ナトリウムを使う方法です。

過炭酸ナトリウムには静菌作用や消臭作用があるため、一度掃除した後の黒いぬめり・黒カビや悪臭を抑制してくれる効果が期待できます。

過炭酸ナトリウムを使った黒いぬめり・黒カビの掃除方法は、直接排水溝の中に入れて歯ブラシ等で擦る方法と、クエン酸と併用して泡の力で落とす方法の２種類があるので、順番に解説します。

歯ブラシ等で擦る方法

過炭酸ナトリウムはアルカリ性を持っています。アルカリ性は排水溝の黒いぬめりや黒カビの原因であるタンパク質や油脂を分解する性質を持っているので、洗剤の代わりとして使用できます。

手順

1. 排水溝のフタを外す。
2. 排水溝内のゴミ受け・排水トラップを外す。
3. ゴミ受け・排水トラップ・排水溝内に過炭酸ナトリウムを満遍なく振りかける。
4. それぞれのパーツの黒いぬめり・黒カビのある箇所を歯ブラシで擦る。
5. よく水洗いして元に戻す。

クエン酸と併用して泡の力で落とす方法

過炭酸ナトリウムはクエン酸と併用すると発泡します。過炭酸ナトリウムが持つアルカリ性に加えて、この泡が汚れを浮かせてくれるので、手を使わずに排水溝掃除が可能です。

手順

1. 排水溝のフタを外す。
2. 排水溝内に過炭酸ナトリウムを満遍なく振りかける。
3. 過炭酸ナトリウムを振りかけた箇所にクエン酸とお湯を混ぜた液を加える。
4. 発泡が始まったら15分以上放置する。
5. 泡が消えたら40〜50℃くらいのお湯で十分に流す。

ポイントは40〜50℃くらいのお湯を使う点です。排水溝内に入った過炭酸ナトリウムが溶け切らないと排水溝が詰まる原因になってしまうので、お湯でしっかり溶かす必要があります。しかし、50℃以上の熱湯を流すと今度は排水管を傷める原因に。なので、お湯の温度は40〜50℃くらいを厳守しましょう。

また、自然洗剤なので穏やかではあるものの、タンパク質を溶かすアルカリ性を持つ洗剤なので、使用時はゴム手袋を着用しておくと安心です。

塩素系漂白剤を使う

三つ目は塩素系漂白剤を使う方法です。塩素系漂白剤とは次亜塩素酸ナトリウムと呼ばれる成分が入っている漂白剤で、黒いぬめりや根を張る黒カビに対しても強力な洗浄効果を持っています。また、漂白剤なので、黒くなってしまった箇所も元通りの色になる優れものです。有名な商品だとカビキラーやハイター系が該当します。

水に希釈して使用する液体タイプと、泡をそのまま吹きかけるスプレータイプの２種類があるので、それぞれ解説していきます。

液体タイプを使った掃除方法

手順

1. 塩素系漂白剤を水で薄めたものをバケツに用意する。（希釈目安：外部サイト）
2. 排水溝のフタ・ゴミ受け・排水トラップを外す。
3. バケツの液体を排水溝内の水が入れ替わるくらい適量流す。
4. 外した排水溝のパーツをバケツの中に入れる。
5. 30分（汚れがひどいときは少し長めに）放置する。
6. 各パーツをよく水洗いする。
7. 元に戻す。

塩素系は強力な洗剤であるが故、皮膚に触れる・目に入る・吸い込むなどをすると人体に影響を及ぼします。そのため、室内は十分に換気し、ゴム手袋・マスク・ゴーグルを必ず着用して使用するよう注意しましょう。また、酸性タイプのものを併用するよ有毒ガスが発生します。必ず単体で使用するようにしましょう。

スプレータイプを使った掃除方法

手順

1. 排水溝のフタ・ゴミ受け・排水トラップを外す
2. 外した排水溝のパーツに直接スプレーを吹きかける。
3. 排水溝内にも直接スプレーを吹きかける。
4. 製品に記載されている時間放置する。
5. 各パーツをよく水洗いする。
6. 元に戻す。

スプレータイプも液体タイプと同様に、酸性のものと併用せず、室内は十分に換気し、ゴム手袋・マスク・ゴーグルを必ず着用して使用しましょう。また、スプレータイプは製品により放置時間が異なる場合があります。記載されている時間よりも短いと効果が得られず、長いとニオイで具合が悪くなったり、漂白作用で変色してしまったりするので、記載されている時間は厳守しましょう。

パイプクリーナーを使う

四つ目がパイプクリーナーと呼ばれる配管洗浄剤を使う方法です。配管に直接注いで放置するだけで掃除が完了します。それでいて、しっかり効果も得られるので汚れが蓄積したときの掃除はもちろん、日頃のメンテナンスにもおすすめの方法です。

手順

1. 排水溝のフタを外す。
2. 製品の側面にある目盛りを参考に、排水溝内にパイプクリーナーを直接流し入れる。
3. 製品に記載されている時間放置する。
4. 十分な水で洗い流す。

注意点としては2つあります。ひとつ目は、塩素系であるため、酸性タイプと併用せず、室内を換気しつつ皮膚に触れないようにしないといけない点です。

もうひとつは、製品に記載されている時間を厳守しなくてはいけない点です。パイプクリーナーは配管に留まって黒いぬめりや黒カビを除去してくれる洗浄剤ですが、放置する時間が長すぎると水に溶けきらなくなり、逆につまりの原因になってしまいます。各製品、使用方法の欄に放置時間を記載しているので、よく確認してから使いましょう。

黒いぬめり・黒カビが発生する原因

黒いぬめりや黒カビを発生させないためには、まず発生原因を知る必要があります。黒いぬめりや黒カビの発生原因は、20〜30℃の温度・70％以上の湿度・栄養です。3つの原因のうち、どれかひとつでも排除できれば黒いぬめりや黒カビの発生を格段に抑えられますが、水を扱うキッチンの排水溝において、温度・湿度を排除するのは難しいでしょう。

なので、黒いぬめりや黒カビの栄養を除去する必要があるのですが、一体どんなものが栄養になるのかを知る必要があります。黒いぬめりや黒カビの栄養となるのは以下の3つです。

• 油脂
• 食材カス
• 石鹸・洗剤

油脂

1つめは油脂です。食べ終わった食器や料理し終わった調理器具などに付着した油脂分を、キッチンの排水溝にそのまま流してしまうご家庭は多いですが、これらは黒いぬめりや黒カビの原因になります。

また、排水溝内で冷え固まった油脂分はやがて大きな塊となり、排水溝つまりの原因にもなる可能性があります。

食材カス

2つ目は食材カスです。キッチンの排水溝内にはゴミ受けがありますが、それらを通過してしまうほど小さな食材カス、例えば野菜の端材や米粒などが排水溝内に入ると黒いぬめりや黒カビの栄養になってしまいます。

また、食材カスも油脂と同様、排水溝内で蓄積するとつまりの原因となります。

石鹸・洗剤

3つ目は石鹸・洗剤です。自分の手や食器をキレイにするはずの石鹸や洗剤も、排水溝内に留まると黒いぬめりや黒カビの栄養となり、排水溝を汚してしまいます。

黒いぬめり・黒カビの予防策

ここからは、上記で解説した黒いぬめり・黒カビの原因となる栄養を可能な限り与えないための予防策について解説していきます。予防策は以下の3つです。

• 油脂・食材カスを極力流さない
• 定期的に掃除する
• ぬめり予防グッズを使う

油脂・食材カスを極力流さない

油脂や食材カスは極力流さないようにしましょう。例えば大量の揚げ油をそのまま排水溝に流すような人はいませんが、カップラーメンのスープや鍋肌や食器にこびりついたカレーなど油脂分を含んだものを、水で落ちるからと流してしまう人は多いです。

水で流す前に、キッチンペーパーで拭き取る・油の凝固剤で固めてゴミ箱に捨てる・水切りネットを使用して小さい食材カスが流れないようにするなどの対策をとりましょう。

定期的に掃除する

定期的に掃除するのは一番の予防策です。キッチンは毎日使うものなので、いくら気をつけていても多少なりとも黒いぬめり・黒カビへの栄養は蓄積していってしまいます。

上記で紹介した掃除方法の中の、パイプクリーナーを使う掃除方法や塩素系漂白剤を使う掃除方法は、手で触らなくても掃除できる方法なので、毎日はできなくても月に1,2回は掃除できるといいでしょう。

ぬめり予防グッズを使う

キッチン排水溝用のぬめり予防グッズも販売されているので、定期的な掃除が難しい場合は活用するのがおすすめです。掃除した後に吹きかけて使うスプレータイプや、常にゴミ受けの中に設置しておくタブレットタイプなどがあります。

黒いぬめり・黒カビを放置するとどうなる？

掃除が面倒な黒いぬめり・黒カビは放置していると以下の2つが生じ、生活に影響を及ぼします。

• 悪臭の原因になる
• 水の流れが悪くなる可能性がある

悪臭の原因になる

黒いぬめり・黒カビを放置していると悪臭の原因になります。特に気温の高い夏場は、排水溝内に溜まった汚れの腐敗が進みやすく、キッチンだけではなく部屋中に悪臭が漂う可能性もあるので、定期的な掃除が必要です。

水の流れが悪くなる可能性がある

黒いぬめり・黒カビを放置していると水の流れが悪くなる可能性もあります。黒いぬめり・黒カビの原因のひとつである、油脂・食材カス・石鹸などは蓄積すると大きな塊となり、排水溝を詰まらせる原因になります。

水の流れが悪くなると、キッチン自体が使えない状況になる可能性もあるため、やはり定期的な掃除が必要です。

キッチン排水溝の水の流れが悪くなったときの対処法

黒いぬめり・黒カビを放置していると水の流れが悪くなる可能性があると述べましたが、掃除してもなお、水の流れが悪い場合は、配管に汚れが蓄積しつまりの原因となっている可能性があります。

そこで最後に、キッチン排水溝の水の流れが悪くなったときの対処法を紹介するので、参考にしてください。

• 40〜50℃のお湯を一気に流す
• パイプクリーナーを使う
• ラバーカップを使う
• ワイヤーブラシを使う
• 業者に依頼する

40〜50℃のお湯を一気に流す

40〜50℃のお湯を一気に流すと、つまりの原因である冷え固まった油脂分がお湯の温度で溶け、水圧で一気に流れていく場合があります。

手順

• 排水溝をタオルor排水溝用のフタで塞ぐ。
• シンクに40〜50℃のお湯を溜める。
• タオルor排水溝用のフタを外して一気に流す。

お湯の温度は50℃を超えると、配管を傷めてしまう可能性があるので注意しましょう。

パイプクリーナーを使う

パイプクリーナーは配管洗浄用の洗剤なので、水の流れが悪くなったときにも使用できます。

手順

• 排水溝のフタを外す。
• 製品の側面にある目盛りを参考に、排水溝内にパイプクリーナーを直接流し入れる。
• 製品に記載されている時間放置する。
• 十分な水で洗い流す。

手順も全く同じです。なお、放置する時間が長すぎると逆に配管を詰まらせる原因になるので気をつけましょう。

ラバーカップを使う

スッポンとも呼ばれるラバーカップもキッチン排水溝のつまり解消に効果的です。

手順

• 排水溝のフタ・ゴミ受け・排水トラップを外す。
• ラバーカップの先端と排水溝を密着させて、シンクにカップが隠れるくらいの水を溜める。
• カップを上下に押し引きして水が流れるまで繰り返す。

ワイヤーブラシを使う

ワイヤーブラシと呼ばれる、細長いワイヤーの先端にブラシがついた掃除道具も排水溝のつまりに効果的です。

• 排水溝のフタ・ゴミ受け・排水トラップを外す。
• ワイヤーブラシを排水溝内に入れる。
• 排水溝内でワイヤーブラシを上下・回転させるなどして汚れを削り取る。
• 水が流れるまで繰り返す。

業者に依頼する

上記は自分で水の流れを改善する方法でしたが、自分ではどうにもならなかった場合や、何度もつまりが発生している場合は業者に依頼するのがおすすめです。

水道業者に依頼すると、高圧洗浄などの特別な機械で、キレイにつまりの原因を解消してくれます。

まとめ｜キッチン排水溝がつまったときは水道修理のセーフリー

キッチン排水溝の黒いぬめりや黒カビは、定期的な掃除と予防さえしていれば、自分で対処できます。しかし排水溝のつまりは、自分で不必要な対処をしてしまうとかえってつまりを悪化させるばかりか、水漏れなどほかのトラブルが起こる可能性もあるので、どうにもできないと感じたら業者に依頼しましょう。

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