2024.03.29
キッチン蛇口の水漏れやガタつきに直面したとき、「自分で直せるのか、業者を呼ぶべきか」で迷う方は多いはずです。結論から言えば、パッキンやカートリッジの交換など、構造さえ理解していればDIYで安く修理できるケースは多々あります。
本記事では、蛇口のタイプ別に内部構造を図解し、初心者でも失敗しない修理・交換手順を解説します。今のトラブルに対して最適な対処法がわかるので、ぜひ参考にしてください。
セーフリーイチオシ!信頼できる水道局指定工事店
イースマイル

記事の内容
キッチン蛇口の形状における主な種類と特徴

蛇口には様々な種類がありますが、それらは大きく「単水栓」と「混合水栓」の2つに分けられます。
それぞれのタイプで構造が異なるため、まずは単水栓と混合水栓の違いについて理解しておきましょう。
その他の蛇口の種類と名称などは、以下の記事で詳しく解説しています。
単水栓
単水栓とは、1つの吐水口から水またはお湯が出るタイプのシンプルな水栓金具です。ハンドルで水量を調整できますが、温度調節はできません。
近年の住宅のキッチンではあまり採用されませんが、手洗い用の小型洗面器や洗濯機用水栓、外部水栓、飲食店の厨房などでよく見られます。
混合水栓
混合水栓とは、1つの蛇口から水とお湯のどちらも出せる水栓金具です。混合水栓にも様々なタイプがありますが、キッチン蛇口として主流となっているのは以下の2つで、それぞれ水とお湯の出し方が異なります。
- シングルレバー混合水栓
- 2ハンドル混合水栓
シングルレバー混合水栓は、近年のキッチンでよく見られるタイプ。レバー型ハンドルを上下に動かすと水量、左右に動かすと温度を調節できます。
2ハンドル混合水栓は、比較的築年数が経過しているキッチンに多く、水を出せるハンドルとお湯を出せるハンドルが1つずつついています。
混合水栓の詳細は、以下記事を参考にしてください。
【タイプ別】キッチン蛇口の内部構造と水が出る仕組み
キッチン蛇口は、タイプによって使われている部品構成や仕組みが異なります。
以下より、単水栓と混合水栓2種類における基本的な構造と水が出る仕組みについて解説します。
単水栓の構造

単水栓は蛇口における標準的な構造で、混合水栓も単水栓の構造がベースとなっています。
単水栓を構成する部品
単水栓を構成する主な部品は、以下の通りです。
| ハンドルビス | ハンドルを固定するための部品 |
| ハンドル | 吐水・止水の切り替えや水量調整ができる部品 |
| 三角パッキン | 蛇口本体とハンドルの隙間から水が漏れるのを防ぐ、三角上のゴムパッキン |
| スピンドル | ハンドルの回し方に合わせて給水するための部品 |
| コマ(ケレップ)・コマパッキン | 吐水口から水が出ていかないようにするゴムパッキン |
| Uパッキン | 蛇口本体とスパウトの隙間から水が漏れるのを防ぐ、U字状のゴムパッキン |
| スパウト | 蛇口本体から吐水口へつながるパイプ |
| 蛇口キャップ | スパウトの先端にある、水流の飛び散りを防いだり水の使い過ぎを防ぐための部品 |
各部品はメーカーの公式ショップやホームセンターなどで販売されており、ゴムパッキン程度なら自力での交換も不可能ではありません。
単水栓から水が出る仕組み
単水栓はハンドルを回して動かすと水が出る仕組みで、少しだけ動かせば吐水量も少なく、大きく動かせば吐水量も多くなります。
単水栓の内部は、給水するための場所と吐水するための場所があり、その間(弁座)にケレップが設置されています。ハンドルを締めている状態だとケレップが弁座に押し付けられているため、水が塞き止められますが、ハンドルをゆるめると、スピンドルとコマパッキンが上がって隙間が生じ、そこから吐水口へ向かって水が出ていきます。
これにより、ハンドルの回し具合で吐水量を調節できるわけです。
シングルレバー混合水栓の構造

キッチン蛇口に多く用いられる混合水栓の1つ、シングルレバー混合水栓の構造と仕組みについて解説します。
シングルレバー混合水栓を構成する部品
シングルレバー混合水栓を構成する部品は、基本的に単水栓と大きな違いはありません。ただし単水栓の部品に加えて、以下の部品も使われています。
| レバーハンドル | カートリッジと連動しており、上下左右に動かして吐水量や温度を調節できる部品 |
| バルブカートリッジ | レバーハンドルと連動している、吐水量や温度の調節に必要な部品 |
レバーハンドルは単水栓のハンドル、バルブカートリッジは単水栓のスピンドルやケレップにあたる部品です。
シングルレバー混合水栓から水が出る仕組み
シングルレバー混合水栓の内部には、水とお湯を供給するための配管が1つずつ接続されています。レバーハンドルを水の配管側に動かせば水が出て、お湯の配管側に動かせばお湯が出るという仕組みです。
それぞれの配管側にカートリッジがあり、レバーハンドルが動いた方のカートリッジが、レバーの動かし具合に合わせて開きます。これにより、水・お湯の温度調整が可能になるのです。
2ハンドル混合水栓の構造

2ハンドル混合水栓は、混合水栓の中でも初期に普及したタイプであり、単水栓とほぼ同一の構造になっています。
2ハンドル混合水栓を構成する部品
2ハンドル混合水栓を構成する部品は単水栓と同じです。
ただし内部で水用の配管とお湯用の配管に分岐しており、それぞれに対応したハンドル・ハンドルビス・ゴムパッキン類・スピンドル・ケレップなどが1つずつ設置されています。
また、ハンドルは単水栓のようにバルブ型ではなく、溝がある円筒型の目隠しキャップで覆われており、その内側に三角パッキン・スピンドル・コマパッキンなどが収まっています。
2ハンドル混合水栓から水が出る仕組み
2ハンドル混合水栓は、いわば「単水栓にお湯を供給するための場所が追加された」ような仕組みです。水とお湯それぞれに対応したハンドルがついており、出したい方のハンドルをひねると、内部でせり上がったスピンドルによりケレップが押し上げられて水やお湯が出てきます。
ただし2ハンドル混合水栓から出るお湯は単体だと熱すぎるので、適温で使うために、水も同時に出しながら温度調節する必要があります。
キッチン蛇口のトラブル箇所と原因パーツ早見表

蛇口の構造を理解したら、次は「どこから水が漏れているか」を観察してみましょう。水漏れが発生している場所を特定できれば、交換すべき部品を絞り込めます。
以下の早見表を使って、あなたの家のトラブルの原因をチェックしてみてください。
| 水漏れの場所 | 主な症状 | 疑われる原因(部品) |
| 吐水口(先端) | 蛇口を締めてもポタポタ止まらない | ケレップ(コマ)またはカートリッジ |
| レバー・ハンドルの根元 | 操作部分の隙間からじわじわ滲み出る | 三角パッキンまたはカートリッジ |
| スパウト(回転する首)の根元 | 首振り部分の可動域から漏れる | Uパッキン |
| 蛇口本体の設置面(台座) | シンクと蛇口の接地面に水が溜まる | 本体内部のパッキン劣化 または本体自体の腐食・亀裂 |
| シンク下の配管まわり | 収納内が濡れている、床に水が染み出る | 逆止弁または給水ホース |
ちなみに、最近主流のシングルレバー混合水栓の場合、吐水口やレバー根元からの漏れは、内部のバルブカートリッジを交換するだけで直ることがほとんどです。
キッチン蛇口の修理・交換ガイド

キッチン蛇口を構成する各部品は消耗品であり、1つでも部品の破損や摩耗が生じると異音・水漏れ・吐水のコントロールができないなどのトラブルにつながります。
突然トラブルが生じると慌ててしまいがちですが、キッチン蛇口の基本的な構造を知っていれば、自力で部品交換できるケースも増えるはず。
ここでは、キッチン蛇口の修理やキッチン蛇口本体の交換を自分で実施する方法について、詳しく解説します。
修理・交換前の準備|「型番」の見つけ方

自力での修理や交換で最も重要なのが、既存の蛇口に適合する「型番(品番)」の特定です。数ミリの違いで部品が取り付けられない失敗を防ぐため、作業前に以下の方法で正しい型番を確認しましょう。
最も確実なのは、蛇口本体のシールを確認することです。主に以下の場所に記載されています。
- 蛇口本体の根元(背面や側面)
- シンク下の給水ホース
- 取扱説明書・施工説明書
もしシールが剥がれていたり書類を紛失したりした場合は、蛇口の外観写真を撮り、メーカー公式サイトの「外観から探す」ツールを利用するか、ホームセンターの窓口で相談しましょう。
「見た目が似ている」だけで判断せず、必ず型番に対応した純正部品、または互換部品を用意するのが、修理を成功させる鉄則です。
キッチン蛇口の修理手順(カートリッジ・パッキン交換)

キッチン蛇口のトラブルに対する修理方法は原因によって様々ですが、ゴムパッキン類やカートリッジなどの交換なら比較的難易度が低いと言えるでしょう。既存の蛇口に合った部品を入手すれば、自力で交換できます。
例えばシングルレバー混合水栓の場合、パッキンやカートリッジの交換手順は以下の通りです。
- 水道の元栓を閉める
- マイナスドライバーでレバーハンドルを取り外す
- スパウトを取り外す
- 古い部品を取り出し新しい部品に取り替える
- スパウト・レバーハンドルの順で取り付ける
- 水道の元栓を開ける
- 水を出して水漏れがないか確認する
パッキンやカートリッジを交換すれば、蛇口からの水漏れを解消できる場合があります。水漏れが出ている箇所を確認し、既存のパッキンやカートリッジと同一の製品を用意してから交換に臨みましょう。
キッチン蛇口のパッキン交換は、以下記事で詳しく解説しています。
蛇口本体の交換手順(ワンホールタイプ)

蛇口のトラブルが、パッキンやカートリッジの交換で解消できなかった場合、蛇口本体の交換も検討すべきです。蛇口本体の交換は大掛かりな作業となりますが、必要な工具を揃えて正しい手順を理解すれば、自力で済ませるのも不可能ではありません。
交換方法は蛇口のタイプによって変わりますが、例えば1つの穴に取り付ける「ワンホール混合水栓」の場合は以下の手順で交換します。
- 新聞紙や段ボールなどでシンク周辺を養生する
- 止水栓を閉める
- 給水栓を接続しているナットを取り外す
- 蛇口本体を固定するナットを取り外す
- カウンターから蛇口本体を取り外す
- 新しい蛇口を設置し、根元のネジを締めて固定する
- カウンター下にある給水ホースと止水栓を接続する
- ハンドルを動かして水漏れしないか確認する
以下記事では、キッチンの蛇口交換方法を、タイプ別に解説しています。
DIYの限界!プロに依頼すべき3つのサイン

自力での修理はコストを抑えられる反面、無理をすると被害を拡大させてしまうリスクもあります。以下の3つのサインに当てはまる場合は、DIYの限界と判断し、早めにプロの水道修理業者へ相談しましょう。
- ネジが固着して動かない
- シンク下が常に湿っている
- 15年以上使用している
ネジが固着して動かない
長年の使用で蓄積した水垢やサビにより、ネジが完全に固着しているケースです。
力任せに回そうとすると、ネジ山を潰すだけでなく、接続されている配管そのものをねじ切ってしまう恐れがあります。専用の工具や薬剤を使っても動かない場合は、それ以上手を触れずプロに任せるのが賢明です。
シンク下が常に湿っている
シンク下の収納内が湿っていたり、カビ臭かったりする場合は要注意です。
単なる接続部の緩みではなく、目に見えない配管の腐食や、壁の内側での漏水が疑われます。放置すると床板が腐食し、集合住宅の場合は階下への漏水事故に発展して高額な賠償問題になりかねないため、早急な調査が必要です。
15年以上使用している
蛇口の耐用年数は一般的に10年といわれています。15年を超えて使用している蛇口は、内部の金属自体が摩耗・劣化しており、一箇所を直してもすぐに別の場所から漏れ出す「いたちごっこ」になりがちです。
また、古い型番は交換部品の製造が終了していることも多いため、修理よりも本体ごとの交換をプロに依頼したほうが、結果的に安く済みます。







































































