排水管から聞こえる音の正体と、場所別の具体的な対処法をまとめました。
排水管に響く「トントン」「カンカン」「ゴボゴボ」という音は、放置すると水漏れや近所トラブルに発展するリスクがあります。
この記事を読めば、音の種類からトラブルの原因を即座に見極め、正しく対処できるようになります。
業者に頼む場合の修理費用の目安も解説するので、ぜひ参考にしてください。
記事の内容
排水管から音がする原因とチェックポイント

排水管からいつもと異なる音がする場合、内部でトラブルが起こっているサインと考えられます。
放置すると水漏れや重大な故障につながる恐れがあるので、適切な対処を心がけましょう。
排水管からの異音が気になったら、まずは音の種類を確認するのが重要です。
音の種類によって、原因は大きく3つに分けられます。
| 音の種類 | 主な原因 |
|---|---|
| トントン・カンカン | 熱膨張 |
| ゴボゴボ | 汚れのつまり/空気の混入 |
| ドン!コン! | ウォーターハンマー現象 |
ここでは、排水管の異音の原因を音の種類別に紹介します。
適切な方法で対処するためにも、以下で詳しく原因を確認してください。
「トントン・カンカン」:熱膨張による「叩き音」
お湯を使った後に「トントン」「カンカン」と一定の間隔で叩くような音が聞こえる場合、主な原因は配管の熱膨張です。
お湯によって温められた塩ビ管(硬質ポリ塩化ビニル管)などの排水管が伸び縮みし、それを固定している金具や柱と擦れることで音が発生します。
特に以下のような状況で起こりやすい現象です。
- 冬場に熱いお湯を流す
- お風呂のお湯を排水する
- 食器洗い機で温水を使用する
熱膨張は、基本的に物理現象であるため、排水管自体には異常がないケースも珍しくありません。
しかし、あまりにも音が大きい場合は固定具の締め付けすぎや干渉、建物の構造的な要因などが疑われます。
「ゴボゴボ」:排水経路のつまり・空気の混入
水を流した際に発生する「ゴボゴボ」という音は、排水と一緒に空気が引き込まれることで発生します。基本的には排水が正常に行われている証拠であり、大きな心配はいりません。
しかし、以前と比べて音が大きくなったり、いつまでも音が鳴り止まなかったりする場合は注意が必要です。
排水管の内部に油汚れや髪の毛が蓄積して通り道が狭くなると、スムーズに流れなくなった水が空気を巻き込み、大きな異音を響かせます。
これは排水管が完全につまる一歩手前のサインです。少しでも違和感を覚えたら、早めの洗浄や点検を心がけましょう。
排水管からゴボゴボと音が鳴る場合は、以下の記事で原因や対処法をご確認ください。
「ドン!コン!」:ウォーターハンマー現象
蛇口を閉めた際に壁の奥から「ドン!コン!」と衝撃音が聞こえたら、排水管ではなく給水管で発生する「ウォーターハンマー現象」が疑われます。
流れていた水が急に止まると管内の圧力が急上昇し、水道管を叩くような衝撃を与えます。
特に以下のような場面で起こりやすいのが特徴です。
- 全自動洗濯機の給水停止
- シングルレバー式水栓の停止
水を止めた直後に音が鳴る場合、ウォーターハンマー現象を疑ってください。
なお、水を出すときの「キュッ」というきしみ音や「シュー」という高い音は、パッキンの劣化や水圧の高さ、管内の空気などが原因です。排水管のトラブルではないので、区別して考えましょう。
自分で試せる!設備別の異音の対処法

異音の原因に心当たりがあれば、まずは家庭でできる範囲のケアを試してみましょう。
軽い不具合の場合、業者を呼ばずに解消できる可能性があります。
ここでは、設備別に排水管の異音の対処法をまとめたので、ぜひ参考にしてください。
キッチン
キッチンで「ゴボゴボ」という音がする場合は、市販のパイプクリーナーを使って排水管を掃除します。
基本の手順は以下のとおりです。
- 排水口やその周りにパイプクリーナーを振りかける
- 15〜30分程度放置する
- 十分な水を流す
長時間放置すると、取れた汚れが排水管内につまる恐れがあるので注意が必要。
つまりが解消されない場合は、繰り返しパイプクリーナーを使うのが効果的です。
※パイプクリーナーは商品によって使用方法が異なる場合があるので、詳細は商品説明で確認しましょう。
洗面所・浴室
洗面所や浴室で異音がする場合、排水口の周辺の清掃を試しましょう。排水口のフタやヘアキャッチャーを外し、内部に溜まった髪の毛や石鹸カスを丁寧に取り除きます。
それでも解消しない場合は、以下の手順で排水トラップの掃除を試します。
- 排水口またはU字管の下に水を受ける容器を置く
- 掃除口や締付ナットを取り外す
- ヌメリやゴミを歯ブラシで取り除く
- 掃除口やU字管を元通りに取り付ける
- 10〜20秒程度水を流して封水を溜める
※掃除方法は自宅の設備によって変わる可能性があるので、取扱説明書でご確認ください。
※汚れが付着して取れない場合は、業者による洗浄が必要です。
洗濯機
洗濯機の周辺から音が鳴る場合は、次の方法で排水口を掃除しましょう。
- 洗濯機の電源プラグを抜き、蛇口を閉める
- 目皿やトラップ筒などのパーツを取り外す
- 排水口周辺のゴミや髪の毛を取り除く
- 市販のパイプクリーナーを排水口に流し込む
- 15〜30分待ってから水を流す
- パーツを元に戻す
※詳しい掃除方法は、取扱説明書でご確認ください。
なお、洗濯機で乾燥中、排水口から「ポコポコ」という音がする場合は、排水ホース内の水と空気が一緒に動いていることが原因です。
排水管や洗濯機本体の異常ではなく、排水ホースを持ち上げて設置すると解消される可能性があります。
水栓
「ドン!」というウォーターハンマー現象が起きている場合、止水栓を少し絞って水圧を調整してみましょう。
シンク下や壁際の止水栓を右に回し、水の勢いを抑えれば、配管への衝撃が緩和されることがあります。
また、蛇口をゆっくり閉めることも、ウォーターハンマー現象による音を小さくするための対策の一つです。
ウォーターハンマー現象の詳しい対処法などはこちらの記事で紹介しています。
排水管からの音は放置NG|起こり得るトラブル

排水管からの音は、いわば設備のSOSのサイン。最初は小さな音でも、放置すれば水漏れや悪臭など深刻なトラブルを招いたり、修理費が高額になったりしかねません。
ここでは、異音を無視し続けた場合に起こり得る4つのリスクを解説します。快適な暮らしを守るためにも、リスクを正しく把握しておきましょう。
水漏れにつながる
異音の原因が「つまり」や「衝撃」である場合、配管内部には常に過度な負荷がかかっています。
特にウォーターハンマー現象による激しい衝撃は、目に見えない配管の接続部を物理的に揺さぶってネジを緩め、接続パッキンの変形や管自体のひび割れを招く直接的な原因です。
また、つまりによって逃げ場を失った水圧が管の弱い部分を押し破り、水漏れにつながることもあります。
目に見えない壁の中や床下で浸水が進むと、家の骨組みである柱や床板まで腐食させてしまうため、早期の対処が欠かせません。
悪臭が発生しやすくなる
排水管から「ゴボゴボ」と音がするのは、汚れで空気の通り道が狭くなっているサインです。
排水がスムーズに流れないと管内の気圧が不安定になり、本来、下水からの臭いや害虫を防ぐ「水のフタ(封水)」が、掃除機で吸い上げられるように下水道側へと引きずり込まれてしまいます。
排水口の奥に溜まっているはずの「封水」が切れると、家中に悪臭が漂ったり、害虫が配管を伝って室内に侵入したりしやすくなります。
「変な音がする」と感じたときは、下水からの侵入を防ぐバリア機能が失われかけている可能性が高いため、早めの対策が欠かせません。
悪化すると修理費が高額になりやすい
異音が聞こえ始めたばかりの初期段階であれば、市販の洗浄剤や専門業者による数千円程度の調整で解決することが少なくありません。
しかし、異音を放置して排水管が完全に塞がってしまうと、高圧洗浄機など特殊な機材を用いた大がかりな作業が必要になり、数万円以上の出費につながります。
さらに深刻なのが、漏水によって家財や建物に被害が及ぶケースです。床材や壁紙の張り替えが必要になると、修理費用は一気に数十万円単位まで跳ね上がります。
また、異音を無視し続けた結果、深夜や休日に突然トラブルが起きれば、修理代に追加料金が加算されることも。
異音が小さいうちに対処することが、結果として家計を守ることにつながります。
近隣トラブルに発展する恐れがある
集合住宅において、排水管の異音を放置することは自分たちだけの問題では済みません。
配管から伝わる「ドン!」「ゴン!」といった振動音は、壁や床を通じて隣家や階下へ大きく響きます。特に、夜間の静かな時間帯に異音が鳴り続けると、深刻な騒音トラブルに発展する恐れがあります。
さらに、配管が破損して階下へ水漏れを起こした場合、相手方の家財の賠償やリフォーム費用など、数百万円単位の損害賠償責任を問われるリスクも否定できません。
自分の家を守るだけでなく、近隣との円滑な関係を保つためにも、異音に気づいた段階で早急に対処することが重要です。
排水管の異音の修理はどこに頼むのが正解?

異音の原因が特定できても、自分で修理するのは限界があります。
住まいの形態に合わせて、適切な連絡先を選びましょう。
- 一軒家:水道修理業者
- 賃貸マンション:管理会社/大家さん
- 分譲マンション:管理組合/管理業者
一軒家の場合は、自身で水道修理業者を探して依頼します。
ただし、格安の広告をきっかけに高額な追加工事を要求されるトラブルもあるため、注意が必要です。修理を依頼する際は、複数の見積もりを取って比較し、信頼できる依頼先を見極めてください。
また、集合住宅にお住まいの場合は、管理会社や管理組合へ連絡する必要があります。
音が鳴る排水管の修理費の目安

配管の修理を業者に依頼する場合の費用相場をまとめました。
作業内容や時間帯、出張費の有無によっても変動するため、一つの目安として活用してください。
| 音の種類 | 主な修理内容 | 修理費の目安(総額、税込み) |
|---|---|---|
| トントン・カンカン | 配管固定具の調整 | 8,000〜70,000円程度 |
| ゴボゴボ | つまり解消、高圧洗浄 | 8,000〜30,000円程度 |
| ドン!コン! | ウォーターハンマー低減器の設置 | 10,000〜30,000円程度 |
修理費用は、音の原因によって大きく変動します。たとえば、軽微なつまりの解消であれば1〜2万円程度に収まりますが、壁を解体する大掛かりな工事が必要な場合は、5万円を超えることもあります。
まずは現地調査と見積もりを依頼し、費用をしっかり確認することが、納得のいく修理への第一歩です。
排水管の修理費用については、以下の記事で詳しく紹介しています。
つまりがひどいときは、業者に高圧洗浄を依頼するのも一つの方法です。業者による高圧洗浄については、以下の記事を参考にしてください。
排水管からの音を予防する方法

排水管の異音は場所ごとに原因が異なります。
蓄積した汚れや急激な水圧の変化など、発生源に合わせた適切な対策を心がけましょう。場所ごとのポイントを押さえて対策すれば、不快な音を効果的に予防できます。
ここでは、排水管からの音を予防する方法を場所別にまとめました。
キッチン
キッチンの「ゴボゴボ」という異音を予防するには、油を直接流さないことが鉄則です。
油分が冷えて固まると、食材のカスを巻き込んで強固なつまりの原因となります。使用済みの油は固めて捨てるか紙で拭き取り、排水口への流入を最小限に抑えましょう。
また、食器洗い後にお湯を流すのも効果的です。シンクに40〜50度程度のお湯を張り、一気に流し込むと、管内に付着し始めた汚れを押し流せます。
市販のパイプクリーナーを定期的に併用すれば、つまりの予防に効果的です。
洗面所・浴室
洗面所や浴室の異音を防ぐには、空気の通り道を確保することが不可欠です。
排水管の内部を狭くしないように、備え付けのヘアキャッチャーに加えて市販の細かいネットを装着し、髪の毛や固形物を入り口で徹底的にブロックします。
あわせて、石鹸カスや皮脂を付着させないことも重要です。入浴や洗顔のあとは意識的に多めの水で流す習慣をつけてください。
また、洗面台は配管の構造上、汚れが蓄積しやすいため、定期的に排水栓を外して掃除しましょう。
洗濯機
洗濯機周りの異音は、糸くずや洗剤カスに加え、衣類から出た泥や砂が排水ホース内に沈殿することで起こります。
これを防ぐには、糸くずフィルターの掃除のほか、排水ホースと床の排水口をつなぐ「排水エルボ(L字パーツ)」のお手入れが必要です。
- 洗濯機の電源プラグを抜き、蛇口を締める
- 排水エルボをホースごと引き抜く
- 内部につまった髪の毛やヌメリを取る
- 排水口にパイプクリーナーを入れて15〜30分待つ
- 水を流し、パーツを元に戻す
特に節水タイプのドラム式洗濯機は、使用水量が少なく汚れを押し流す勢いが足りないため、半年に一度は排水エルボを清掃するのが理想的です。
水栓
「ドン!コン!」というウォーターハンマー現象を抑えるには、蛇口をゆっくりと閉めることが基本です。
特にレバー式の場合、一気に下げると管内の圧力が急上昇するため、意識的に加減しましょう。
全自動洗濯機や食洗機など、機械が自動で止水する際に衝撃音が鳴る場合は、家庭での注意だけでは限界があります。その際は、「水撃低減器」の取り付けを検討してください。
水撃低減器は、内部の特殊な緩衝材で圧力を吸収してくれる装置です。自分で取り付けられる市販の商品もありますが、不安な場合は無理せず業者に相談するのがおすすめです。
排水管の音が気になるときは
排水管の異音は、熱膨張やつまりなどのサインです。
放置すると水漏れや悪臭などを招く恐れがあるため、早めの対処が欠かせません。まずは音の種類を確認し、原因に合わせて対処しましょう。
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