トイレの水が出ない7つの原因と対処法｜タンクレスのケースも解説

トイレの水が出ないときの応急的な流し方

トイレの水が出ないときは、以下の手順で流してみてください。

• 温水洗浄便座の機能をOFFにする
• 便器の周りに新聞紙やビニールシートを敷く
• 便座を上げて便器に5～8Lの水を注ぐ

新聞紙やビニールシートを敷くのは、水を入れた際に汚水が飛び散る可能性があるためです。高い位置から水を注ぐと飛び跳ねが多くなるため、できるだけ低い位置から勢いよく注ぎましょう。

トイレの水が出ない原因と対処法

タンク式トイレの水が出ない主な原因は、以下の通りです。

• 止水栓が閉まっている
• 断水している
• タンク内の部品に不具合が生じている
• 給水管が破損している
• レバーが故障している
• 給水管が凍結している

上記の内どれか1つでも当てはまると、トイレの水が出ません。

それぞれ詳しく説明します。

止水栓が閉まっている

止水栓が意図せず閉まる主な原因は、以下の通りです。

• 知らぬ間に触っていて閉まった
• 掃除や修理後に開け忘れた
• 子どもが止水栓にいたずらした

止水栓には以下の種類がありますが、いずれも反時計回りに回せば開きます。

• ハンドル型
• ドライバー型
• 内ネジ型

ハンドル型は、通常の蛇口と同じように手で回せます。ドライバー型と内ネジ型は、マイナスドライバーをくぼみに差し込んで回しましょう。

下記の記事では、トイレの止水栓が回らない場合の対処法も解説しているので、あわせて参考にしてください。

断水している

水が出ない原因が、トイレや止水栓の不具合ではなく、地域や建物全体の断水の可能性もあります。断水の場合は、復旧するまで待つしか対処法がありません。

以下で断水のお知らせ・情報が出ていないか確認してみましょう。

• 回覧板
• チラシ
• インターネット

断水に備え、事前にお風呂などに水を溜めている場合は、以下の流し方を参考に水を流しましょう。

下記の記事では、断水中のトイレの流し方やトイレを流さない方が良い状況についても詳しく解説しているので、参考にしてください。

タンク内の部品に不具合が生じている

タンク内には、さまざまな部品が使用されています。

そのうち、以下の表に記載した箇所や原因で、トイレの水が出ない場合があります。

浮き玉がタンク内の何かに引っかかり、給水弁が開かないと水が出ません。ボールタップが故障している場合も、浮き玉と同じく給水弁が開かず、水が出ない場合があります。

ゴムフロートが劣化・故障して排水弁が開かない場合も、水が出ません。

水道管から流れてくる水に含まれるゴミを取り除くフィルターがつまっている場合も、タンクにうまく給水されず、水が出ない場合があります。

表の各箇所に対処法の詳細を解説している記事へのリンクを貼っているので、ぜひチェックしてみてください。

給水管が破損している

トイレタンクに給水するための給水管が破損してタンクに水が溜まらない場合、レバーを回しても水が流れません。

給水管が破損している場合は、新しいものに交換しましょう。

給水管の交換は、自分で行うより水道修理業者に依頼する方が失敗のリスクがありません。

また、給水管には問題がなくても、給水時に水に含まれるゴミを取り除くためのストレーナーにゴミや汚れがたまり、つまっているときも上手く給水されず、水が出ない場合があります。

ストレーナーがつまっている場合は、外して水洗いすればOKです。

レバーが故障している

トイレのレバーが故障していて、回してもゴムフロートを持ち上げられない場合は水が出ません。

また、レバー本体に問題がなくても、レバーとゴムフロートを繋ぐ鎖が切れている可能性もあります。

レバー本体の故障、または鎖が切れている場合は、それぞれ新しいものに交換しましょう。レバー本体は、型番を確認して購入するのが安全です。鎖は、今使っているものと同じ長さのものを購入しましょう。

レバーの交換は以下の手順で行います。

1. レバーの鎖を外す
2. レバーのナットを左回しに外す
3. 新しいレバーを取り付けてナットを締める
4. レバーに鎖を付ける

ナットが固くて外しにくい場合は、モンキーレンチを使うとスムーズです。

給水管が凍結している

寒い時期には、トイレの給水管が凍結しているのが原因で水が出ない場合があります。気温がマイナス4℃以下の日は、凍結を疑ってみましょう。

給水管が凍結している場合は、以下の方法を試してみてください。

1. 給水管にタオルを巻く
2. お湯をゆっくりかける

熱湯をかけると給水管が破裂する恐れがあるため、40℃～50℃のぬるま湯をかけましょう。

以下の記事ではぬるま湯をかける以外の、給水管の凍結の対処法をイラスト付きで解説しているので、あわせて参考にしてください。

セーフリーWEB担当

トイレの水が出ないときの、チェックポイントや対策法を教えていただけますか？

佐々木

まずはトイレの止水栓の開き具合を確認しましょう。 次に断水が起きていないかを確認します。 トイレタンク内部の浮き玉やゴムフロート、フィルターなどが正常に動いているかも確認します。 壊れている、または異常がある場合は、修理または交換が必要となります。 次に、タンクへの給水状態を確認し、最後に、水を流すレバーの状態を見ます。 レバーが壊れていたり、鎖が切れていたりすると、水が流れません。 これでも問題が解決しない場合は、水道修理の専門業者に相談することをお勧めします。

＞みんなの町の水道職人を見てみる

タンクレストイレで水が出ない原因と対処法

タンクレストイレは電気制御により、水道管から直接水を引いています。

そのため、タンクレストイレで水が出なくなる原因には、タンク式トイレと異なる独特なものがあります。

タンクレストイレならではの主な原因は、以下の通りです。

• ポンプや電気系統が故障している
• 停電が起きている
• 高層階で水圧が低い

以下に、各原因の詳細と対処法を解説するので、タンクレストイレを使用されている方はぜひ最後までご覧ください。

ポンプや電気系統が故障している

タンクレストイレのポンプや、その他の電気系統が故障していると、水が出ない場合があります。

電気系統の故障は素人では修理できないため、業者へ相談しましょう。

停電が起きている

建物や地域一帯で停電が起きている場合、タンクレストイレの水は出ません。

ただし、メーカーごとに停電時でも便器洗浄ができる機能が付いているため、一部を下記にご紹介します。

TOTOのネオレスト
便器奥に付いているレバーを30秒間引く

LIXILのサティスS

1. 便器の左奥のサイドカバーを外す
2. 中にある赤いレバーを引く

LIXILのサティスG

1. 便器本体の上面のカバーを外す
2. 中の赤いレバーを反時計回りに回す
3. 赤いレバーを持ち上げ、水位が上がったら離す

パナソニックのアラウーノ

1. 電源プラグを抜く
2. 便器の右奥のサイドカバーを外す
3. 中のハンドルを回す

洗浄後は、悪臭や害虫の侵入を防ぐために、バケツなどで便器内に水を溜めておきましょう。

また、停電復旧後は、念のため通常の洗浄機能で水を流してください。

高層階や2階トイレで水圧が低い

タンクレストイレは、水道管直結で水を出しているため、高い場所に設置されていて水道の水圧が下がると、水の出が悪くなります。

水圧が低くなる場所の例は、以下の通りです。

• 高台の建物
• マンションやビルの2階以上
• 戸建ての2階以上

高層階に設置されていて水圧が低く、水の出が悪いタンクレストイレの対処法は以下の2つです。

• タンク式トイレに交換する
• 水圧補助のブースターを付ける

いずれの場合も、自分で対応するのは難しいため、業者に相談するのがおすすめです。

手洗い管だけ水が出ない原因と対処法

手洗い管だけ水が出ない原因には、次のものが挙げられます。

• 個別止水栓やバルブが閉まっている・故障している
• 手洗い管がつまっている・破損している・凍結している
• 給水ホースが外れている・折れ曲がっている
• 小型の蛇口（水栓）が故障している
• 給水ユニット内フィルターがつまっている（TOTO製）

原因別の適切な対処法を把握すれば、業者に依頼する手間や費用の節約にもつながります。また、自分では修理ができない内容の場合も瞬時に判断できるので、手洗い管だけ水が出ないときも迅速に対処可能です。

個別止水栓やバルブが閉まっている・故障している

個別に設置されている手洗い管の止水栓が閉まっていると、手洗い管のみ水が出なくなるので、閉まっていないか確認してみてください。また、止水栓が開いているにもかかわらず、水が出ない場合には、バルブの故障を疑いましょう。

本来は止水栓を開くと水が出る仕組みですが、バルブが故障していて回しても中の仕組みが開かないケースもあります。止水栓を反時計回りに回しても水が出てこない場合は、専門業者に相談しましょう。

手洗い管がつまっている・破損している・凍結している

手洗い管自体に原因がある場合も多いでしょう。手洗い管内にゴミが入り込んでしまい、目詰まりを起こすこともあります。また、破損している場合には水漏れが起こってしまうので、確認が必要です。

対処法としては、手洗い管を外して目詰まりしているかを確認するほか、水漏れしている箇所を探すことで原因を突き止め、それぞれ対処できます。

ただし、冬の季節や寒い地域に住んでいる方は、凍結にも注意が必要です。凍結は故障と間違えやすく、対処しようとして分解した結果、ほかの部品の破損や不具合につながる恐れがあります。

手洗い管が独立しているタイプで凍結が起きているときは下記を参考に対処してみてください。

給水ホースが外れている・折れ曲がっている

給水ホースが外れていたり、折れ曲がったりしている場合も、手洗い管から水が出てこなくなる原因といえるでしょう。折れ曲がってしまうと、水が途中で詰まりやすくなるので、交換が必要です。

給水ホースが外れている際は、付け直せば解決できますが、今後も外れないようしっかりと固定しましょう。固定するためには、ホースクランプと呼ばれる器具がおすすめです。もともと付けられていたクランプが見当たらない場合は、購入して取り付けてください。

小型の蛇口（水栓）が故障している

手洗い管が蛇口タイプのものであれば、蛇口の故障も水が出ない原因として考えられます。蛇口を回しても水が出ない場合や、そもそも蛇口が回らない場合もあるので、それぞれ対処が必要です。

蛇口が回らないときは、強く締めすぎている場合や中で異物が引っかかっている可能性があるので、蛇口のネジを外して取り外してみてください。異物が確認できれば取り除くことで改善されることがあります。

蛇口を付け直しても動かない場合は、自分での修理が難しいため、業者に相談しましょう。

給水ユニット内フィルターがつまっている（TOTO製）

TOTO製の手洗い管で水が出ない原因として、タンク内にある給水ユニットのフィルターがつまっている可能性があります。

給水ユニットは、タンクに水を溜める役割と、手洗い管に水を送る役割を担う部分です。そのため、フィルターがつまると水が出なくなります。

対処する際は、次の手順を参考にしてみてください。

1. 止水栓を時計回りに回して閉める
2. タンク内の水を抜く
3. 給水ユニットのフィルターを外す
4. フィルターを掃除する
5. 元に戻す

タンクの開閉やタンク内設備の分解が必要なので、自身で対処できない場合には業者に依頼しましょう。

水が出ないトイレの修理代

水が出ないトイレの修理代は、内容により大きく異なります。6,000円で済む場合もあれば、30,000円以上かかる場合もあるので、修理内容ごとの費用相場を把握しましょう。

また、作業料金以外にもかかる諸経費があるので、総額がいくらになるのかを理解しなければなりません。

たとえば、出張費や基本料金などが挙げられるほか、工事を依頼する日にちや時間帯により、料金が加算される場合もあります。業者を選ぶ際に作業料金のみで判断しないためにも、それぞれの料金を確認しましょう。

作業料金の目安

水が出ないトイレの修理を、業者に依頼した場合の料金相場は、以下の通りです。

諸経費の相場

業者に修理を依頼する際は、作業代以外に下記の費用がかかる場合があります。

以下の記事では、上記の料金相場やトイレの修理業者の料金比較表も載っているので、参考にしてください。

セーフリーWEB担当

トイレの水が出ないときの修理の相場料金について教えていただけますか？

佐々木

料金相場としては次のようなものです。 止水栓交換：約8,000円〜 ゴムフロート交換：約8,000円〜 ボールタップ交換：約8,000円〜 浮き玉交換：約7,000円〜 水道管のパッキン交換：約8,000円〜 トイレタンク交換：約70,000円〜 なお、これらはあくまで相場であり、業者によっては基本料金や出張料金、夜間・早朝・休日の割増料金が加算されることもあります。 複数の業者で見積もりを取り、比較することで、料金交渉を有利に進めることができます。

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トイレの水が出ないときは慌てず冷静に対処を

トイレの水が出ないときは、慌てずにまずは応急的に水を流しましょう。冷静に対処すれば、簡単に解決できるものもあるので、慌てないことが大切です。

しかし、なかには自分で解決できない原因も隠れており、業者に依頼しなければならない場合もあります。業者を選ぶ際は、料金のみではなく実績や口コミも含めて判断すると、より優秀な業者に依頼できるでしょう。

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