2020.11.30 2022.11.21
誰もが一度は聞いたことがあるだろう「くらし安心、クラシアン♪」というキャッチコピーでお馴染みの株式会社クラシアン(QRACIAN)。
神奈川県横浜市港北区新横浜に本社を置く水道(上水道・下水道)全般の工事・修理・リフォームを行う企業だが、誰もがトイレやキッチンなどの家庭の水回りの緊急メンテナンス業者として知られています。
同社は非上場であるものの売上等を公開しており、それは以下です。
- 資本金 1億1000万円 売上高 172.8億円(2019年3月期)
- 純利益 6億1630万円(2020年03月31日時点)
これは800億円とされている国内の「水回りの緊急修理」の市場規模が20%超をクラシアンが受注していることを意味します。(参照:REUTERS)
この売り上げ規模は、マザーズに上場している水道屋本舗(株式会社アクアライン)の売上高58.7億円と比べても、そのマーケットシェアは3倍以上です。(参照:証券リサーチセンター)
「暮らしに安心を提供できる企業を目指す」という理念の下1991年6月21日に設立されたクラシアンは、常に私たちの生活シーンとともに在る事を目指す戦略を展開してきました。(参照:QURACIAN TIMES)
そうした意思決定や社内文化が、他社とは一線を画す企業へと押し上げたのでしょうか。
翌年クラシアンは創業30年を迎えようとしています。
決して表には出てこない創業者が作り上げたクラシアンは、私たちにどのような価値を提供しているのでしょうか。
その実態を口コミやSNS、企業情報等リサーチし、その姿に迫ってみることにしましょう。
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クラシアン
記事の内容
クラシアンの企業情報
会社名 | 株式会社クラシアン(QRACIAN) |
設立年月日 | 1991年6月21日 |
資本金 | 1.1億円 |
年商 | 188.4億円(2020年3月期) |
本社所在地 | 〒222-0033 横浜市港北区新横浜1-2-1 新横浜ファーストビル8F |
代表者 | 代表取締役会長:今田 健治 代表取締役社長:鈴木 一也 |
従業員数 | 1,121名(2020年3月現在) |
業務内容 | 水まわりの緊急メンテナンス 水道衛生設備工事 給水設備工事 排水設備工事 住宅設備機器の販売、施工 住まいのリフォーム |
クラシアンの概要
水回りのトラブルが発生した際に電話をすると、専用車(クラシアンカー)で駆けつけ緊急対応を行う営業を行っているのがクラシアンです。
対応エリアは一部の地域を除く日本全国となっており、緊急対応の他、トイレ・浴槽・洗面台など水回り設備の交換やリフォーム、法人向けサービスなど一般の水道事業者と同様のサービスを提供しています。
また、社名の由来は「くらしに安心を提供できる企業」を略したものとなっており、英語表記は「C」でも「K」でもなくデザイン性の面から「QRACIAN」となったそうです。
クラシアンの沿革
1991年6月 | 株式会社クラシアン創立 |
1995年~2011年 | 大阪を皮切りに全国に支店、営業所を設立 |
2008年7月 | 本社法人営業部発足 |
2016年 | オリックスグループが200億弱で買収 |
2019年12月 | プライベート・エクイティ・ファンドの株式会社日本企業成長投資が200億台で買収 |
クラシアンのイメージキャラクター
イメージキャラクターはロス五輪金メダリストの森末慎二氏。
クラシアンの企業理念である一流の会社を目指す事と金メダリストであることがイメージと合致するのが起用の理由となっており、その後幾人かの変更を経ましたが、知名度を増したこと、常に初心を忘れ無いことを理由に再びイメージキャラクターに採用されました。
クラシアンが水回りの緊急修理に強い理由
水回りの緊急修理の市場規模は、ビル・住宅の築年数の増加・老朽化によって約800億円と推定されており、今後更に緩やかに成長が見込まれています。
本来、この様な市場は地場の水道事業者・工務店が請け負っていましたが、公共工事の減少や高齢化によって廃業が続いたところ、全国展開を行っていたクラシアンがそれらの受け皿となったのが成長の構図となっています。
また、クラシアンは以下の様な新しいビジネスモデルを提示することによって業界シェアを伸ばしてきています。
- CMによる集客
- 対応エリア・時間の充実化
- 現場力
- 車両の店舗・倉庫化
CMによる集客
森末慎二氏をイメージキャラクターに起用し、印象に残るCM・マグネット広告の配布で集客を図ってきたことは、クラシアンの成長を最も後押しした要因と言えます。
特に「くらし安心、クラシアン♪」と言う耳に残るフレーズを聞くと、作業服姿の森末慎二氏が目に浮かぶ人も多いのでは無いでしょうか。
実際、非常に認知度が高かったようで、森末慎二氏起用以降何人かイメージキャラクターが変更されていますが、2017年頃に再び起用されおり、そのイメージの強さを物語っています。
対応エリア・時間の充実化
クラシアンは、大阪支社開設を皮切りに全国に支社・営業所を設置し、現在では北海道から沖縄まで全国をカバーしています。(支社一覧)
また、緊急対応にいつでも対応できる様に、24時間体制でコールセンターで対応しており、多いときには30名体制で電話対応にあたっています。
1件あたり3~5分でヒアリングを終え、エリアに応じて70カ所ある支店・営業所に割り振ることによって、水回りトラブルの様な小工事であっても効率よくこなす仕組みを作りあげ、月間5万件、年間にして42万件にも上る緊急対応実績を上げているのです。
現場力
クラシアンの現場力を支えているのが、自社に在籍している水道関係資格の多さです。
2019年4月現在では総数429名の有資格者が在籍しており、クラシアンの技術力の裏付けとなっています。
資格名 | 人数 | 説明 |
1級管工事施工管理技士 | 17名 | 管工事における ・施工計画 ・工程管理 ・品質管理 ・安全管理 等の業務を行える国土交通省が認定する専任の技術者。 主任技術者および監理技術者となれる。 |
2級管工事施工管理技士 | 27名 | 管工事の専任技術者や主任技術者となれる資格。 |
給水装置工事主任技術者 | 177名 | 水道事業者から指定を受けるのに必要な国家資格。 |
排水設備工事責任技術者 | 208名 | 排水設備の工事の設計、施工などに関する技能を有することを認める資格。 |
車両の店舗・倉庫化
クラシアンでは、全サービススタッフに作業車として「クラシアンカー」を充てがっています。
車両には修理に必要な部品・工具が搭載されており、整理整頓の徹底によって効率的な作業が行えるような努力が行われているのです。
加えて、車両を店舗・倉庫化することとともに、スピーディーな対応の実現を行うため、IoT搭載車両も投入しているので、更に機動的な対応を実現しています。
クラシアンに寄せられた口コミ
(クラシアンのセーフリーの口コミより)
クラシアンの今後の展望
住宅の築年数増加による給排水設備の老朽化が起こると同時に、建物自体の維持管理も必要になってきます。
特に、マンショント等に関しては、全国におよそ100万件の老朽化マンションがあるとされ、給排水設備等にリフォームの潜在的な市場があるとされています。
では、水回りの緊急対応で最大のシェアを誇っているクラシアンですが、この様な住宅事情に対して今後どの様な展望があるのでしょうか。
リフォームへの本格参入
クラシアンでは、トイレ・キッチン等のリフォーム事業を行っていましたが、ホームセンターのカインズ(本社:埼玉県本庄市、代表取締役社長:高家 正行)と提携することによって、本格的にリフォーム事業に参入を図っています。
クラシアンがカインズにリフォーム部門の施工委託などを開始することにより
- 水まわり設備緊急駆け付けサービスの拡充
- カインズにリフォーム部門の施工委託 することによる施工期間の大幅短縮
- カインズでは実施外であった管清掃サービスの提供
- オリジナル商品の共同開発
により更に市場でのシェア拡大が見込まれています。(参照:株式会社カインズ)
カインズについて
株式会社カイン ズとは 、 埼玉県に本社を置き28都道府県に218店舗を展開しているホームセンターです。
「くらしに、ららら。」を企業理念として掲げ、利用者の日々のに寄り添いながら、それぞれのライフスタイルの提案と、住環境のトータルコーディネートを意識した商品づくりに努めています。
カインズオリジナル商品の開発を積極的に行うとともに、独自の仕入れ・物流システムを構築することによって低価格で商品を提供しています。
ビルメンテナンスの拡充
近年日本では、高経年マンションストックが増加している現状があります。
特に、築40年超のマンションは現在81.4万戸存在しており、10年後はその約2.4倍の197.8万戸、20年後には約4.5倍の366.8万戸達すると見込まれています。(参照:国土交通省)
この様な高経年マンションが急増する現状にあって、外装等のハード面のメンテナンスは勿論の事、給排水管の老朽化も避けることが出来ないので、新たな市場としてクラシアンもシェア拡大を目指しています。
また、クラシアンでは、不動産管理者の高齢化に伴う、ビルメンテナンスの需要拡大に応えるための取組みが活発に行われています。
適切なリフォーム・修繕、定期的なメンテナンスが物件の資産価値を左右する一方で、高経年マンションにおける修繕不足の懸念を払拭にも寄与するので、ビジネス面だけに限らず社会貢献にも繋がって行くことでしょう。
正社員の拡充
クラシアンでは、従来協力店を募集しフランチャイズ契約によるビジネスモデルを展開していました。
しかし、昨今では人材の獲得・維持のために積極的に正社員化をすすめており、更なる事業の拡大を図っています。(参照:タウンニュース)
この様な背景には、住宅・マンションの高経年化による給排水設備メンテナンスの増加する現状があり、それらを見込んだシェア拡大に積極的に取り組んでいる事を表していると言えます。
技術力向上のための取組
クラシアンでは、正社員の拡充とともに教育や研修制度を充実させ、一人ひとりのスキルアップを図っています。
研修所を関東・関西(東日本研修所・西日本研修所)にそれぞれ設け、座学・同乗研修 ・実地研修をそれぞれ1ヶ月、計3ヶ月に渡って実施しています。
また、今年に入っては新たに北日本研修所を開設しており、社員拡充に伴う新人研修にも意欲的です。(参照:いえらぶニュース)
更に、越谷の研修所(越谷技術研修所)では、一般住宅をそのまま研修所として使用しているので、より実践的なスキルを習得することが可能となっており、クラシアンが得意とする緊急対応の強さの鍵を垣間見る事が出来るでしょう。
加えて、毎年開催されるクラシアン技術コンテストにおいては、エリア予選と勝ち抜いた高い技術力を有したスタッフ表彰しているので、社内の士気高揚にも寄与だけでなく、スタッフ全体の技術向上にも寄与しています。(参照:クラシアン)
クラシアンの社会的な役割にも期待
クラシアンがどの様な企業で、今後どの様なシェア拡大を見込んでいるのかを紹介してきました。
クラシアンの実態に迫ってみると、スタッフの技術力向上に余念がなく、水回りトラブルの様な小工事でも効率的にこなせる仕組みが構築されている事に気付かされます。
特に、今後のシェア拡大に余念がなく、リフォームの増加や高経年マンションに対応できる取組を積極的に行っているので、水道事業者として引き続きトップシェアを獲得していくことでしょう。
また、ビルメンテナンス等の取組みに関しては、高経年マンションにおける修繕不足の懸念が叫ばれる現状もあるので、社会的な役割を担ってくれる側面もある企業だと言えるでしょう。(参照:国土交通省)
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